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『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case 8 黒の絞殺魔」感想。-中編- [Roger Allam (TV)]

『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case 8 黒の絞殺魔」感想の中編です。完全にネタバレしてますので、OKの方のみ(続きを読む)からどうぞ。例によって時々シーンを飛ばしています。ご了承ください。感想はコメント欄までよろしくお願いします。。
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・再びバリッジズに聞きこみに行くモース、同じフラットに住んでいるモニカと再会する。二人は久々に会った様子ですが、前回二人が会ったのは7月ですから、それ以来となると3ヶ月近く会ってなかったことになります。長い。前回のことがずっとひっかかっていたモース、静かなデパートの売り場でいきなり弁明をはじめますが(笑)、モニカの方はもう気にしていないようで、後で一緒に飲む約束までします。おまけに店員に夫婦と間違われてましたね。この場面、時代背景を考えると、店員がモニカにまったく抵抗感を見せていないのに目を惹かれます。従業員教育が行き届いているようですね。

従業員と言えば、このバリッジズ、非常に多様性があります。オネエ言葉を使うゲイのチャーリー、先の戦争で足が不自由になった元空軍パイロットのクインバリー、吃音症のノーマン。チャーリーとノーマンは陰口を叩かれたりからかわれたりしますが、そういう環境の中でも彼らを雇っている会社側の姿勢を通して、(ラッセル・ルイスが言うところの)新しい時代の訪れを表現したかったのでしょうか。

・ストッキングの販売状況について聞きこみをするモース。対応してるのはマネージャーのクインバリーとアームストロング。ハルデインの購入履歴にライターやカフリンク、タイピンがあるのを不審に思い、どんな品かを調べるように依頼する。そこにやってくるサーズデイ。サーズデイを見た瞬間、「サーズデイ軍曹...フレド...」と言うアームストロング。彼女を見て驚き、「スィ」(Si、イタリア語で「はい」の意)と答えるサーズデイ。アームストロング、なんとその場で倒れ込んでしまいます。きゃーーーー!私もやりたい、サーズデイに会ってびっくりしてその場に倒れ込んでしまいたい!と本気で思いました(この時点ではアームストロングの過去を知らなかったので、どうぞお目こぼしを...)。いやーこの時のサーズデイの驚きの表情がいいですね。口から出た言葉は「Yes」じゃなくて「Si」ですからね。いかほどの衝撃かが伺えます。

・デパートを出たところで、モースに彼女は戦争中の知り合いだと告げるサーズデイ。何とか平静を装うとするが、動揺を隠しきれない。署に戻ってからも上の空。いやー、どんな知り合いだったのかな?

・就業後、パブで飲んでいるバリッジズの従業員たち。女性店員のグロリアに男が声をかけるが、男がたちが悪そうなのを見て、従業員のチャーリーとノーマンが彼女を守る。

ちょっと飛びます

・アームストロングの自宅にやってくるサーズデイ。サーズデイが建物の前で立っているシーン、60年代の恋愛映画のようですね。なんという渋さ。か、かっこいいーーーー!部屋にあがったサーズデイ、アームストロングとイタリアであった出来事、お互いの境遇について語り合う。ここで交わされる二人の会話は非常に意味深です。「知り合い」以上の想いが見え隠れします。

・一方食事を終えてフラットに帰ってくるモースとモニカ、花火の日(ガイ・フォークス・ナイト)に会う約束をする。後半もう1度サーズデイとアームストロングが会うシーンの次にモースとモニカが会うシーンを織り込むところがあります。まるで青年の恋と熟年の恋を対比させているようです。

・ストッキングの卸問屋へ行き、リスクに聞き込みをするモース。バリッジズ以外に例のストッキングを降ろしているか聞くが、この辺りではバリッジズだけだと言う。このリスク、パブでグロリアを口説いていたキザ男というかチャラ男でしたね。見かけには気を使っているけど、いけすかない感じです。

・ストッキングを購入していた顧客を尋ねるモースとジェイクス。5番目に尋ねた家で女性の遺体を発見する。被害者はシアーズ。やはり黒いストッキングで絞殺されていた。現場にはウェッジというピアノの調律道具が落ちていた。壁に残された8(∞)の文字。みんなそれぞれに推測を繰り広げますが、ちょっと深読みしすぎでは...モースの影響?(笑)

・同僚の電話を取ったモース、バリッジズへ向かう。電話の主はジェリコ、警備担当で、万引きを見つけたので通報したのだと言う。部屋に向かい、万引き犯に引き合わされるが、相手はサーズデイの妻ウィンだった。ジェリコは万引き犯をでっちあげて、金を払えば見逃してやるといって恐喝していたのだった。元警察なんていって、なんてひどいヤツ!

・パブでウィンと一杯飲むモース。ウィンはサーズデイのことが心配だとモースに告げる。そりゃそうですよね、サンドイッチは忘れそうになるし、家族の呼びかけにも上の空だし。しかも没頭してるのは事件と言うより...(ry ウィンもサーズデイもモースのことを頼りにしていることがうかがえますが、その分サーズデイ家の秘密も抱えることになってしまうモースでした。

ところで、サーズデイの家族はデパートと言えばバリッジズを利用しているようですね。サーズデイが行っていたかどうかは判然としませんが、アームストロングと今まで鉢合わせしなかったのがちょっと気になりました。デパートでなくても、街のどこかでばったり...でもおかしくなさそうなので。

・バリッジズの前でアームストロングを迎えるサーズデイ。なんかもうね、この二人の雰囲気がね、どこからどう見ても不倫カップルですよねぇ...サーズデイだから観てますけど、色気がむんむんで少しこっぱずかしいです。その後二人でパブへ。20年間持ち続けたアームストロングへの熱い想いを打ち明けるサーズデイ。うひゃーもうどうしましょう。テレテレ。って私が照れてもしょーがないんですが。若いころに戦場で芽生えた恋で、相手が死んだと思っていたから、ずっと忘れられなかったのでしょうか。一方サーズデイの気持ちを受け入れないアームストロング。大人の分別という以上に、何か事情がありそうです。

後編に続きます。

WOWOW 『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』
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コメント 6

pane

riekさん、ありがとうございます!いやー、場面が次々と蘇ります。後編も楽しみです!!

ところで私は「うーむ、モニカになりたい」と思いながら見ていました。うーふふふ。が、現実的に考えて、モースみたいな難しい男性に恋をしたら、きっと不幸になると思います。

by pane (2015-02-24 15:43) 

しましま

riekさん、そうだ、バリッジズは採用に心が広いですね!
全然その点に気づいてませんでした。
と言っても、英国企業の(日本も)マイノリティー採用率について
考えたこともなかったので無理もないけど。。。
思うに、バリッジズはドラマのオックスフォードでは唯一の百貨店だと思います。今でもイギリスの地方都市で百貨店らしい百貨店なんてひとつあればすごいかと思います。
サーズデイ年代の男性が買い物に興味がないのはわかるけれど、
奥さんへのプレゼント買いに行ったりもしないのでしょうか、
とriekさんの疑問に深くうなずいてしまいました!

<<青年の恋と熟年の恋
あとサーズデイ夫婦のキッチンとモースのキッチンの対比も
かわいらしくて顔がにやけます。でへへ。

paneさん
おお、よかった!私もモニカになりたいチームです!
フラットのお向かいという同じ屋根の下に一応イケメンが住んでるなんて羨ましい〜。モニカにとっては隣の兄ちゃんなので、まだ「難しい男性」とは思ってないのじゃないでしょうかね!
by しましま (2015-02-26 19:09) 

riek

*paneさん

早速のレスをありがとうございます。喜んでもらえて何よりです。モース、見かけがああですから、あら素敵♡と思う気持ちはわかります。好きになった女性に一途なところも好感がもてます。でも基本「わが道を行く」タイプですから、それを許容できるかどうかでしょうね。


by riek (2015-02-27 00:13) 

riek

*しましまさん

私も英国企業のマイノリティー採用事情に詳しい訳ではないのですが、時代背景から考えると、イギリスといえども60年代は採用率は低かったのではないでしょうか(日本は推して知るべしかと思います)。クインバリーは傷痍軍人なので、違う扱いなのかもしれませんが。先代の社長は心の広い方だったんでしょうね。息子もとても立派なので、話の展開上仕方がないとは言え、彼が一瞬でも疑われたのはちょっと残念でした。

ロンドンや東京ならああいう状況での再会は奇跡かもしれませんが、オックスフォードあたりではどうもねぇ。アームストロングがオックスフォードに来てまだ数年とかいう設定ならよかったのかもしれません。

キッチンの描写、ほぼ同じアングルで撮っているので、絶対対比させてるなと思いました。このシリーズにしてはモースが幸せそうで、ちょっとほっとします。

by riek (2015-02-27 00:43) 

hedgehog

riekさん

私だって不意打ちでリアル・サーズデイに出くわしたら失神する自信があります! でも、せっかくのチャンスだもの、角度や方向を上手に計算してから倒れこんで、サーズデイに抱きとめてもらわないと♡

……はっっっっ。つい妄想がだだ漏れしてしまった。

でも、

>サーズデイが建物の前で立っているシーン、60年代の恋愛映画のようですね。なんという渋さ。か、かっこいいーーーー!

このシーンとか、本筋そっちのけでムダにかっこよすぎてす。番組自体が明後日の方向に暴走しているとしか思えません。絶対、絶対、わざとだろ!

>20年間持ち続けたアームストロングへの熱い想いを打ち明けるサーズデイ。うひゃーもうどうしましょう。

もちろん私もテレビの前で身悶えしましたとも! うひひひひひ。

……で、恋するサーズデイ刑事に心を奪われすぎて、私の頭の中ではまたしても殺人事件の顛末なんかそっちのけになってしまうのでした。という訳で、モース、事件のほうは適当に片付けといてくれない?
by hedgehog (2015-02-28 21:43) 

riek

*hedgehogさん

>角度や方向を上手に計算してから倒れこんで、サーズデイに抱きとめてもらわないと♡

記事には書きませんでしたが、ポイントはやはりそこですよね。決してモースが嫌なわけではないのですが、やはり倒れ込むなら...♡

そうそう、こんなにかっこよく撮るからサーズデイが主役?と勘違いしてしまうんですよね。サイドストーリーのはずなのに本筋のようにしっかりしているので、本筋の殺人事件の印象が薄まってしまうという。サーズデイファンとしては願ってもないですが、ミステリーファンとしての評価は難しいところです。

by riek (2015-02-28 23:08) 

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