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『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case 8 黒の絞殺魔」感想。-前編- [Roger Allam (TV)]

『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case 8 黒の絞殺魔」感想の前編です。ずいぶん時間がかかってしまいましたが、ようやくあがってほっとしています。完全にネタバレしてますので、OKの方のみ(続きを読む)からどうぞ。例によって時々シーンを飛ばしています。ご了承ください。みなさまの感想もぜひお聞かせください。-
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・日本語タイトルは「黒の絞殺魔」ですが、日本の2時間サスペンスドラマを彷彿とさせるタイトル、もう少しどうにかならなかったのでしょうか...。ドラマの内容を端的に表している、と言われればそのとおりではありますが。

・オープニングを飾るのは、モーツァルトのレクイエムより「ラクリモーサ」。ある部屋でピアノの調律がされている。場面が変わり、署で”警察統合についての意見書”をタイプ打ちするモースが映る。また場面が変わり、レコードに針が落とされる。レコードからはムーディな音楽が聞こえてくる...。

さてここで流れる音楽ですが、実はITVで初回放送されたときには別の曲が使われていました。歌っているのはディーン・マーティンで、曲名は「Sway」。英語のドラマタイトルと一緒です。放送直後に発売されたDVDではすでに差し替えられ、アメリカPBSでも差し替え版が使われました。WOWOWはPBS放送版を採用しているため、日本で放送されたものも差し替え版です。おそらくドラマのタイトルはディーン・マーティンの歌からとられたでしょうに、なぜこの曲が差し替えになったのでしょう?一番考えられるのは権利関係でしょうか。ただ、今までの実績を考えれば制作チームが事前に権利関係を確認しなかったとは思えませんので、使う気満々でいたけれど確認したらDVDでは使用料が高くなってしまったとか...?(そういえば、挿入歌はテレビ放送はOKでもDVDでは差し替えられるという話を聞いたことがあります)。以上は憶測の域を出ませんので、そのうちラッセル・ルイスあたりがインタビューで語ってくれることを期待します。

ところで「Sway」、マンボの曲なのでどこかユーモラスで軽快です。物語のトーンがすごく暗いので、この曲の方が軽やかさを与えてよかったような気がします。残念ですね。Youtubeへのリンクを貼っておきます。

Dean Martin - Sway

・ストッキングを履き、外出の支度をする女性。バリッジズ・デパートから出てくる女性従業員たち。今回キーになる登場人物たちがでてきます。

・署に残っていたモース、チャード警部補が担当している女性の殺人事件のファイルをこっそり抜き出し、自宅に持って帰って中を読む。おいおいお兄さん、それって自分の担当じゃないよね?バレたら後で怒られるよ。。。

・女性が車の中で殺される。場面が変わり、ある家の中で絞殺死体が見つかる。被害者はビビアン・ハルデイン、43歳。夫は大学教授。被害者は新品の黒のストッキングで絞め殺されていた。最近発生したカラン・マシューズ女性殺人事件と手口が同じらしい。二つの殺人の共通点を探るサーズデイ警部補とジェイクス巡査部長に、別件のミセス・マーチャント殺人事件も同じ手口ではないかと言うモース。ジェイクスには「その犯人は捕まっている」と言われ、サーズデイに「それはチャード警部補の担当だろう」とたしなめられる。ほらー。モースは3人の被害者が全員既婚者なのに結婚指輪をはめていないことを指摘し、同一犯の犯行だと言う。冒頭からモース節が全開。Caee 6から比べるとすっかり元気になったようですね。

・署で話をするサーズデイとブライト警視正。モースがチャードの誤認逮捕を指摘したことをブライトは苦々しく思っているが、モースの推理を信じるサーズデイがモースの名前を伏せて伝えては・・・と言うとあっさり承諾する。あれ。なんかブライト、モースに甘いな。

・ビビアンの夫に聞き込みに行くモースとサーズデイ。夫は妻のビビアンとはかなり距離があった様子。3人とも胸に赤いポピーの花飾りをつけています。これはイギリスでは11月11日が戦死者追悼の日とされていて、その象徴であるポピーの飾りをつけることで哀悼の意を示していることを意味しています。ちなみにこのポピーの飾りは英国在郷軍人会が作って販売し、収益金は英軍関係者の支援に使われているそうです。花飾りは追悼の日の少し前からつけ始めるので、このエピソードの季節は秋、10月下旬~11月初旬であることがわかります。

・犯行で使われた黒のストッキングの手がかりを探しにバリッジズ・デパートに出向くモース、女性従業員アームストロングと出会う。該当の黒のストッキングはフランス製で、新製品だった。さてここで登場するアームストロング、吹替えも悪くないんですけど、女優さん本人の声がかわいらしいので、イメージが違ってちょっと残念です。

・パブでサーズデイに聞き込みの結果を報告するモース。そして毎度恒例のサンドイッチの中身当てですが、木曜日(!)はハムとチーズでした・・・!いちいち「今日は何かなー」と言うサーズデイがかわいいです。ああ、かわいいかわいい。

・バリッジズ・デパートで買い物をするサーズデイ夫人ウィンと娘のジョアン。二人はサーズデイ夫妻の結婚記念日の話をしながら、紳士服売り場で買い物をしている様子。サーズデイへのプレゼントを選んでるようです。ジョアンの帽子とコートがかーわーいー(^^)帽子と首周りのファーがまるで雪のようです。いつも思いますが、彼女は着こなしがとてもうまいですね。

・一方まだパブにいるモースとサーズデイ。サーズデイ、サンドイッチの包み紙をきちんと折りたたんでいる!(笑)。ここでモースが珍しくサーズデイにウィンとの結婚生活について聞いています。こういう話を聞けるくらいに、ようやくモースもサーズデイに打ち解けてきたということでしょうか。そして少しはぐらかしたあとにようやく「来週銀婚式だ」と言ったサーズデイ、照れてますねぇ。このこの。逆に「おまえはその辺どうなんだ?」とモースに聞き返しますが、モースは気のない返事をして押し黙ってしまいます。そういえばその後モニカとはどうなったんでしょう。

・ミセス・ハルデインの自宅で彼女の日記を見つけ、署でサーズデイとジェイクスに報告するモース。日記には毎週水曜日に会っていたらしい「ジョセフィン」との逢瀬が生々しく書かれている。不倫だったらしい。その後、ブライトに報告するサーズデイ。ここでのブライトのセリフ「ノースオックスフォードのよろめきマダム」がウケる!三流週刊誌の見出しみたい。

中編に続きます。

WOWOW 『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』
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しましま

こんにちは!
またまた細かい書き出しありがとうございます^^
「黒の絞殺魔」ってどのエピだったかな?と面食らってしまいましたw
なるほど黒ストッキングのことでしたか。

アームストロングさんのかわいらしい雰囲気は、あのイタリアなまりの話し方も大きいので、吹き替えは、そこのところもよろしく頼みたかったです!普通の日本語になってました?

サンドイッチの包み紙をいちいちたたむ・・・というのは、
ロジャーさんの演技でやってるのでしょうかね〜
脚本ってどの程度まで書いてあるのかしら。

サーズデイ警部とモースが私生活について話ていると
どうもデジャヴを感じる・・・何だったかな?と思ったら、
ダグラスとマーティンでした。マーティンとモースは大分違うけど。

ブライトさん、「よろめきマダム」なんて言葉をどこで覚えたのか?!The SUNかな。
もとの英語はなんだったのかしら?!
by しましま (2015-02-26 17:37) 

riek

*しましまさん

あの日本語タイトルはどうしたものでしょう。タイトルで中身が思い出せないなんて!(笑)。

アームストロングさんの吹替えは、普通の日本語で、年齢相応な感じでした。残念ながらかわいらしさは欠けていましたね。

サンドイッチの包みは、われながらなんでそんなこと突っ込むかなーと思いましたが、脚本に書かれていたのだとしたら相当細かいですね。ロジャーさんのアイデアなら、それはそれで素敵だと思います。

ブライトのセリフ、DVDの英語字幕はこうでした。

"Of course, North Oxford's full of that type. Life a drama...and themselves its star."

うむ。この文章から「よろめきマダム」を引き出すとは、翻訳者の方はグッジョブ!でした。

by riek (2015-02-27 22:17) 

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