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『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case 7 亡霊の夜想曲」感想。-前編- [Roger Allam (TV)]

『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case 7 亡霊の夜想曲」感想の前編です。ちょっと不完全なので、後でもう少し手を入れます。完全にネタバレしてますので、OKの方のみ(続きを読む)からどうぞ。例によってシーンは時々飛んでいます。ご了承ください。みなさまの感想も楽しみにお待ちしています。-
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・冒頭、オルゴールの音をバックに、殺人の現場が映される。広大な庭で倒れている子供たち、屋敷の中で死んでいる女性と子供。ある部屋に置いてあるオルゴール・ボックスから流れてくるのはショパンのノクターン。一人だけ生き残ったらしい、ピアノを弾いている女の子。ビクトリア調の白いドレスに身を包んでいる。とても不気味です。

・警察署内。署員はサッカーのワールドカップのテレビ中継に沸き立っているが、その中で一人タイプで書類を打つモース。

・自然史博物館に入っていき、中を見学する女生徒たちと引率の先生。しばらくして同じ建物に入っていく初老の男性。スタッフしか入れない2階にあがって行くが、2階の部屋で何者かにのどを切られて殺される。冒頭から殺人とはめずらしいですね。しかもここで写るのは博物館にいる人物だけ。今までと少し撮り方が違う感じがします。バックに流れているのはオリジナルの曲だと思いますが、後にでてくるクラシックを意識してかピアノが印象的な曲。

・場面が変わり、自宅の居間でサッカーのテレビ中継を見ているサーズデイ警部補と子供たち。ジョアンがサーズデイに指示されてアンテナをテレビの上で持ち上げている。いやー時代ですね。テレビの画面もモノクロです。そこへモースがサーズデイを迎えにやってくる。玄関で出迎えたジョアンは「土曜の午後に来るなんて情熱的ね」と一言。対するモースの返答は「ミス・サーズデイ」。なんだ、結局ここの二人は何も進展してないんですね。未だにサーネームだし!「家族の肖像」でのサーズデイの誤解はどうやら解けているようです

・車を運転しながら、一応サーズデイにサッカーのことを尋ねるモース。サーズデイが「0-0だ。ラッティンにはずされた」というと、「ラッティン?」と聞き返す。ラッティンはアルゼンチンのキャプテンのことでした。世の中はサッカーで盛り上がっているのに、モースは全然サッカーに興味がないから知らないんですね。私も興味がないので、とてもここの描写には共感しました。

・博物館で死んでいたのはエイドリアン・バイス。69歳。発見者は案内係のテレンス・ブラック。ウルジーの大学院生でアルバイト。凶器は遺体のそばにあったインドの刀剣、カタール。目撃者は今のところない様子。財布は空だったので物取りの犯行か。モースはカタールは切るよりは盾をつくための武器であるのに、切るために使われたことをいぶかしむ。こうしてみるといろいろと博識ですね。

・ブラックに事件当時の様子を聞くモース。入場者の名簿をチェックしていると、「ミス・ダンディーの一行」という書き込みがあった。確認すると、ブライス・マウント女学校の生徒たちで、家の事情で夏休みの間は学校の寮に残っているのだという。スリープと言う村にある。

・ストレンジ巡査に送ってもらい、女学校にやってくるモース。ストレンジからダブル・デートに誘われて、あいまいに微笑む。ここの二人って、このころはダブル・デートにいくくらい仲良かったんですね。ストレンジは帰りにまた来る、と言って去っていく。

・バイスの家を訪ね、同居している姪に話を聞くサーズデイとジェイクス巡査部長。バイスの職業は紋章院の紋章官補で、4年前に引退したが、紋章はライフワークだったので今も続けていたという。

・女学校の建物の中へ入っていくモース。それを見つめる7人の生徒たち。学長と先生、生徒に話を聞く。それぞれに個性的なんですが、結構人数が多くて、ドラマ見ているうちに誰が誰だかわからなくなってしまって困りました。インド系のシェリー・ゼンガルディが難しそう。コートを忘れかけたモースにコートを持ってくる一人の女生徒。「雨の気分しだい。僕らは異議なし。対照的に」と言う彼女に「トゥイードルディ?」と返すモース。生徒の名前はパンディーで、鏡の国のアリスに夢中なのだという。パンディーが言った言葉は「鏡の国のアリス」からの引用だった。トウィードルディーは童謡マザーグースに出てくるキャラクターで、「鏡の国のアリス」からの引用。脚本のラッセル・ルイスはITVのPress Packsに寄せた文章の中で、1966年にジョナサン・ミラーの翻案で映像化された『Alice in Wonderland』をとても気に入っていると書いています。かなり不気味だからと(笑)。どこまでも不気味さがつきまとうCase 7。


・聞き込みを終えて建物の出入り口に向かうモース。そこにサーズデイがたっていた。サーズデイの車に乗り込み、帰る二人。あれ。ストレンジ、後で迎えにくるんじゃなかったの?行き違いになってなければいいのですが。そしてふと車のミラーを見ると、白い服を見た少女が写っている。モースは思わず振り返るが、そこには誰もいなかった。不思議に思うモース。ちょっと怖いですねぇ。

・学校の敷地で働く管理人とその息子が登場。

・博物館の来館者で、アメリカから来ているガードナー夫妻を当たってみるというモース。

・家でカタールのことを調べているモース。手を休め、背広のポケットに手を入れると"Save Me"と書かれた一枚の紙切れが入っていた。

・夜ベッドの中で”賢い悪人”という本を読んでいる女生徒の一人シェリー。他の女の子のたちは眠っているが、どこからか聞こえてくるオルゴールの音色を聞いて目覚めたバンディーは懐中電灯を持って廊下を歩いていく。音楽室に置いてある大きなオルゴールボックスのふたが開いていたので、それを閉じるバンディー、すると音楽室の扉がいきなり閉まってしまう。恐怖で倒れ込むバンディー。うわー今回はホラーっぽいです。

ちょっと飛びます

・バイスの身元確認に立ち会う姪と共に解剖室にいるモース。マックスはモースにカタールは殺人の凶器ではない、凶器はかみそりだと告げる。

・姪に被害者の話を聞くモース。バイスは紋章官をやめた後も個人的に依頼を受け、家紋や盾の紋章のデザインを調べていたりしたという。その一方、骨董などには興味がなかったという。

・自然史博物館にいき、カタールについてブラックに尋ねるモース。1879年にブレイズ・ハミルトン家から寄贈されたものだという。ブレイズ・ハミルトン家はインドの紅茶農園で一財産築いた一家だった。

・署に戻り、サーズデイに聞きこみの結果を報告するモース。サーズデイは昔ポリス・ニュースを読んでいたときにブレイズ・ハミルトンという名前を聞いたような気がするが、何年も前で詳しくは覚えていないという。確か殺人事件だったとも。ここでのサーズデイ、パイプを一生懸命いじっています。そういえば、今回パイプをふかすシーンが少ないですね。ぐすん。今後に期待しましょう。

・ブレイズ・ハミルトンの事件の記録をあちこちにあたるモース。そこへストレンジとジェイクスがやってくる。ジェイクスは「つないでくれたか?」とモースに声をかける。話の内容はサッカーのことだった。でもここの「つないでくれたか?」は意味がよくわからない…その後の「イングランドに賭けてるんだろ?」で賭けのことだというのはわかりましたが。というか、モース、賭けには参加してたんですね(笑)。英語版で見た時はここのやりとりがさっぱりわかりませんでした(日本語で観ても今一つですが)。後で見直さなくては。【11/24追記】ブログ読者のしましまさんからコメントをいただきまして、この「つないでくれたか?」の意味は

>モースはスコットランド・ヤードに電話をしていたので、「(電話が)つながったか?」とジェイクスは言っているのだと思います

とのことでした。私、賭け事の話と電話の話がごっちゃになっていたみたいです。しましまさん、ありがとうございました!

・オックスフォード・メールの編集長、ドロシアとパブで会うモース。ブレイズ・ハミルトンの事件は1866年7月に起きたことがわかったが、事件の記録がどこにもないのでドロシアに協力を依頼する。ここで「警視庁にあるファイルも中には空だ」とモースは言っていますが、これにもあの秘密結社が関係しているんでしょうか?と思ったのは、シリーズを1度通しで見ているからですが。

・道を歩き、「消えた手帳」で登場したダイアナ・デイの宣伝ポスターの前を横切っていくモース。このポスター、落書きがされていますね。時の流れが感じられます。

中編に続きます。

WOWOW 『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』
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コメント 6

しましま

こんばんは!
女学校のホラー、少女たちの区別が私にも難儀でした。(汗)
金髪ストレートのロングヘアーばっかりなんですもん。
女子校の子達は若い男性のモースに視線集中でしたが、
この段階のモースの方は事件のことしか頭にない・・・
のに、なぜ中年になった時には出会う女性全員をいちいちチェック
するおじさんになったのかと、余計なことが頭に浮かびました(笑)。

その主任モースではストレンジと中が悪くなってるのですか?
私はまだそれほどエピを見ていなくて、主任から遠ざかっていたのですがまた見たくなってきました。

ジェイクスの「つないでくれたか?」

さっぱり覚えがなかったので、DVDを見てみました。
そしたらモースはスコットランド・ヤードに電話をしていたので、
「(電話が)つながったか?」とジェイクスは言っているのだと思います。
ここの場面、仕事とサッカーの話が交錯して話が飛びますよね。


by しましま (2014-11-13 21:46) 

いととて

紋章官って初めて知りました。紋章は日本の家紋とちがって新しく作れるんですね。
バンディーが呟いた言葉をすぐに「鏡の国のアリス」だとわかるなんて、モースすごい!それとも英国では常識なのかしら。
「不思議の国のアリス」のほうはだいたいわかりますが、それでも細かいことまでは覚えていません。
後半のモースがバンディーに示唆する一言も含めて、調べてみました。
このドラマを見ていると次から次へと疑問が湧いて、勉強になりますね。
by いととて (2014-11-15 11:21) 

riek

*しましまさん

ですよね~。日本語で観ててもしばらくすると「あれ、この子誰だっけ...」状態になっていました。今回日本語でよかったなと思ったのは、寝る前のガールズトーク。あんなことしゃべってたんだ!さすが女子校。モースがいちいちチェックしなかったのは、やはり相手の年齢が若くて対象外だったからではないでしょうか(笑)。

主任モースの方のモースとストレンジは、TV版は基本部下と上司という関係です。1回くらいは「今夜はファーストネームで...」みたいな会話があったかもですが(記憶違いでしたらすみません)、新米モースほどの距離の近さは私には感じられませんでした。まぁ当時の製作者からすれば、まさか25年後に新米時代をやるとは夢にも思ってなかったでしょうから、ことさら二人の関係を書く必要がなかったのかもしれません。あちらで大事なのはモースとルイスの関係ですから。

「つないでくれたか」、ああ、あれは電話のことだったんですね!ありがとうございます。あそこの会話はなかなか難儀でした。私も後でDVD確認しようっと。

by riek (2014-11-15 18:44) 

riek

*いととてさん

紋章官、仕事として存在しているのがすごいですよね。これも日本語で観て大いに助かった部分です。モースは何がヒントになるかわからないので、ちょっとしたことでも見逃せないです。

『鏡の国のアリス』の引用、私はモースすごいと思いました。聞いてわかるのはともかく、(後半のバンディーとの会話で)すらっと言葉が出てくるというのは、相当読み込んでないと無理でしょうから。この引用の使い方はとてもうまいなと思います。そう、このドラマはいろんな発見があって、それを一つ一つ確認するのも楽しいですよね。

by riek (2014-11-15 18:54) 

hedgehog

riekさん

Case 7は、せっかく女子校で殺人事件が起こったのに「サーズデイ刑事が多感な年頃の女子生徒たちの取り調べに苦心する」という美味しい場面がなかったのが個人的には残念でした。でも、「居間で娘にアンテナを持たせて息子とサッカー観戦」という心和む場面を設けてくださったのであまり文句は言えません♡
by hedgehog (2014-11-24 15:05) 

riek

*hedgehogさん

その美味しい場面は確かに残念でしたね。そういえばサーズデイが女生徒と絡むシーンはほとんどなかったような。話の展開上、モース担当になってしまったんでしょう。ああ、そうそう、あのサッカー観戦のシーンは楽しかったです!娘にふられると息子に頼んじゃって。いつも仲がよくて微笑ましいです。

by riek (2014-11-24 22:30) 

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