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『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case 6 消えた手帳」感想。-中編- [Roger Allam (TV)]

『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case 6 消えた手」感想の中編です。完全にネタバレしてますので、OKの方のみ(続きを読む)からどうぞ。もう本当に長くてすみません。後、シーンは時々飛んでいます。ご了承ください。感想はぜひコメント欄までよろしくお願いします。

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・ミーカーが乗っていたと思われるリンカーン・コンチネンタル発見。車に残された遺留品から、ミーカーの本当の名前はジョン・ペティファーでロンドン在住だったことが判明。サーズデイに軽作業(美人コンテストの警備)を頼まれて不本意そうな顔した後、車の音にびっくりするモース。精神的ショックはかなり大きいようです。

・ロンドンのペティファーの事務所を訪ねるモース。事務所の扉をあけたところで頭の後ろから殴られてしまう。後から別の二人組が入ってきて、モースを殴って金庫の番号を吐かせようとする。どうやら二人組はモースをペティファーと勘違いしたらしい。モース、殴られたのは前に撃たれたところですかね。とーーーーっても痛そうで、見ていられません。かわいそうに。そこへペティファーの秘書が入ってくる。モースを見た秘書が彼はペティファーではないと告げると、二人組は急いで事務所を出ていってしまいます。

・ペティファーの秘書から電話をもらったサーズデイ、ペティファーの事務所にくる。秘書の話によると、二人組は刑事で、ペティファーは二人のうちマロリーという刑事の浮気調査をしていたらしい。金庫に証拠の写真が入っているため、サーズデイが鍵を開けようとするが開かない。そこでモースが数字をいい、これを試してという。サーズデイが言われたとおりにすると見事に鍵が開き、中から写真を取り出すことができた。金庫の上にかかっていた女王の絵を見て、その絵に暗証番号のヒントが隠されていることにモースが気づいたのでした。このあたりは怪我をしていてもさすがですね。

・刑事二人組をつきとめ、呼び止めるサーズデイ。自分の部下を殴ったことの説明を求めるが、上司の方が「それは断る」と一言。「なら俺は帽子をとるぞ」とサーズデイ。さあきましたよ、サーズデイ大作戦のシーンが!この後、ボカスカやるシーンがフロントガラスにちょこっと映りますが、ああーもうかっこよすぎるー!!これ、マジで怒ってますよねぇ。惚れ惚れしますわ。パイロット版(「華麗なる賭け」)にもサーズデイが悪役を殴るシーンがありますが、あれは脅しの材料にしてた写真を取り戻すためにやったんですものね。今回は純粋にモースのため。やっぱりモース、うらやましいぞー。

ところでここで出てくる二人組ですが、私は最初上司の方がマロリーだと思い込んでいて(証拠の写真をよく見てなかった)、だから自分の写真を取り返しにきたのかと思っていたのですが、マロリーは部下だったんですね。下っ端刑事でもなさそうだし、この程度の不始末をとりつくろうのに上司の手を借りるとは情けないと思いましたが、上司は上司なりに部下のことを思いやってるのかな、と思いました。この組み合わせはこれで面白そうです。

・モースを車でアパートに送り届けるサーズデイ。明日は仕事を休むように言い、でていく。そこへ心配したモニカが声をかける。モニカにモースの様子を見てくれるように頼み、お金を渡すサーズデイ。ここでのサーズデイの話し方がとても紳士ですね~。これは英語の方が紳士に感じられます(あ、声ではなくて言葉遣いがです、念のため)。帽子をとりながら"Goodnight, Miss."と言うなんて素敵じゃありませんか!モニカはどうして"Good night"と返さなかったんでしょうか。サーズデイに見とれていたなら許しますが(笑)。いや、ここはサーズデイに惚れるところですよ、お嬢さん。

・ペティファーは離婚を扱う一方、それをネタにゆすりをしていたことが判明。芸能事務所バルミュー・プロの社長バル・ドッドの夫人が社長の浮気調査を依頼していた。ここの事務所はダイアナと契約しており、夫人は夫と彼女の仲を疑っていたのだった。しかし結果はシロ。

・ペティファーの所持品の帽子から質屋の預り証を発見するモース。質屋にいき、品物を引き取る。細長い銀色の筒から出てきたのは写真のネガフィルム。現像したところボーフォートカレッジのそばのトリルミル川の写真だった。サーズデイと一緒に、大学の下を通るトンネルを歩くモース。そこで若い女性の遺体を発見。遺体は失踪したフリーダ・イェランダだった。

・イェランドに娘のフリーダが遺体で発見されたことを伝えるモースとサーズデイ。話によると、フリーダは結婚相手の連れ子で、お互い本当の親子のように思っていたという。モースはフリーダの持ち物で、鍵がかかっている小箱を借りて行く。

・パブで飲むモース、サーズデイ、ジェイクス。サーズデイにお酒のことでたしなめられるモース。部屋に酒の空き瓶が転がっているのをちゃんとチェックされていましたね。 そしてここのサーズデイがちょっぴり『The Thick of It/官僚天国』の(ダメ政治家の)ピーター・マニオンに見える…いかん…。そしてモースのことを心配し、忠告しますが、モースは大丈夫と言うばかり。まぁ、気持ちはすごくわかりますが。両方の気持ちがわかるので、切ないです。

・フリーダの所持品の箱を開け、中身を見るモース。中にはフリーダの写真が入っていて、裏を見ると「連絡はジャスティン・デルファージまで」と書いてある。

・ジャスティン・デルファージのスタジオで本人に話を聞くモースとサーズデイ。フリーダを撮り、その後バルミュー・プロに紹介したという。

飛びます

・署に戻り、もう一度フリーダの小箱の中身を確認するモース。するとその中に手紙が入っていた。手紙はフリーダの死んだ実の父親の上官からのお悔やみで、サインがバッテン氏であることに気づく。

・バッテン氏をたずねるモースとサーズデイ。手紙のことやフリーダ、ペティファーについて聞くが、何も覚えていないと言う。

・再びカレッジのそばのトンネルをさらう警察。そこで盗まれた剣が見つかる。

飛びます

・パブで飲むモース。そこにストレンジがやってくる。今夜秘密結社の交流会に招待されていて、その結社に入らないかと誘われているという。コツを教えてくれとモースに頼む。モースの答えは「二人の主人には仕えられない。いずれどちらか選ぶことになる。自分を見失うな。それだけだ」。このセリフはしみじみとかっこいいですね。ストレンジも真剣な面持ちで聞いています。「二人の主人には仕えられない」、英語字幕ですと「a man can not serve two masters」ですが、これは聖書・マタイの福音書6:24の「no one can serve two masters」を言い換えたものでしょうか。モースが言うと、なんとなく聖書からの引用かな、と思ってしまいます。

ところでこの秘密結社、どうやらフリーメイソンみたいですね。ついにきたかっ!(笑)。『Gerorge Gently/孤高の警部 ジョージ・ジェントリー』や『Ashes to Ashes/危険な女刑事』でもこのネタを見ましたが、警察組織とフリーメイソンのつながりってそんなに深いんでしょうか。それともネタにしやすくて、これが入っていると視聴者のウケがいいとか、そういう話でしょうか。謎です。ともあれ、このフリーメイソンの影がS2を通してモースにまといついてきます。

飛ばします

・再びカレッジの展示室を訪れるサーズデイとジェイクス。トリルミル川が流れるトンネルは1963年にコレラが発生したため、以来学生も職員も立ち入り禁止であるという話を聞く。展示されている宝物の写真に「撮影者 トーマス」と書いてあるのをみて、何かひらめくサーズデイ。トーマスはデルファージと一緒に仕事しているフォトグラファーでした。それでこの二人がぐるになって宝物を盗んだのではないかと推理するサーズデイ。冴えてます。きゃー♪

・一方展示会のパンフレットに載っていた’土地台帳「ドゥームズデイ・ブック」’の記述を見て、メモに残っていた81086は1086年8月ではないかと推理したモース。それを書いたのはバーンズだったため、バーンズのところへ出向くことにする。モースは。バーンズがフリーダと浮気をしていたことをネタにペティファーにゆすられたため、フリーダを殺し金を払うために大学の宝物を盗んだと推理するが、「誇大妄想だ。酔ってるのか?」とバーンズに言われる。

・一方デルファージのスタジオに乗り込んだサーズデイとジェイクス、盗まれた宝物があるのを確認し、トーマスを捕らえる。デルファージはいったん外に逃げるが、カーチェイスの後、ジェイクスが見事に確保。ここ、ジェイクスの見せ場がきましたね。こんなにかっこいいシーンはシリーズ初ではないでしょうか。おめでとう!

以下後編に続きます。

WOWOW 『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』
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hedgehog

riekさん

中編の白眉は、やっぱり帽子を取ったサーズデイですよね! もうね、かっこよすぎてどうしようどうしたらいいんだろうとテレビの前でジタバタするレベル(笑)。そんなサーズデイ大作戦がすぐそばで発動していることにまるで気付かず寝こけているモースって……でも、モースが見てないからこその「大作戦」なんですよね。かっこいい上に、切ないですよねええええ。

>いや、ここはサーズデイに惚れるところですよ、お嬢さん。

そうそう、モースなんかほっといて、ここはサーズデイに鞍替えするところですよ、お嬢さん! もっとも、サーズデイに惚れても、彼には愛する妻がいるので応えてはもらえませんけどね。でも、気遣いゼロのモースと違って、サーズデイはたとえ相手を振る時でもちゃんと礼儀は尽くしてくれますからね、どうせ失恋するならサーズデイ相手のほうがいいですよ、ねえ聴いてます、お嬢さんったら!!


by hedgehog (2014-10-05 20:35) 

riek

*hedgehogさん

もうね、そこにつきますね。テレビの前で悶え死に確定です。DVDなら何回もリピして何回もジタバタすることでしょう。当然サーズデイはそのことは一言も言わないでしょうから、モースは何も知らないまま…。ああもうかっこよすぎて困ってしまいます。

>ねえ聴いてます、お嬢さんったら!!

わはははは!私、肩つかんで揺さぶりながら力説してしまうかもしれません(←迷惑すぎ)。まぁでもサーズデイ奥さんいますからね、それを忘れてましたよ。でも私だったらとりあえず電話だけしてしまうかも。モースが無事でも(爆)。

by riek (2014-10-05 22:03) 

いととて

サ-ズデイさんの帽子にはちょっとこだわりがあるようですが、下っ端は帽子を被ってはいけないのでしょうか。
モースは一度もかぶっていませんよね。ジェイクスのコート掛けには帽子がかかっていましたが。
モースにとって"oxford boy"という言葉は、「Back to the Future」のマーティーにとっての”chicken"みたいなものでしょうか。
いつも過敏に反応してますね。だけどなぜ警察に入ったのでしょうか。サーズデイさんのセリフにもありますけれど、人生の暗い面をみる機会が多い職業だし、お父さんも気に入らなかったようなのに。
どこかで語ってましたっけ?
by いととて (2014-10-06 11:06) 

nyajara

riekさん、こんにちは。

このEp、各場面が入り組んでいて筋を追うのがたいへんですよね! 私はもともと人の顔を覚えるのも、話の筋を追うのもニガテなんですが、このEp釈然としないのはそのへんもあるのかも・・・。すでにWOWOW放映分と合わせて3回は観ているのに、自分で場面を追ってみろ、と言われたら無理です(汗)。riekさんのレビューを見て、あぁそうそう、そうだった!とやっと納得しています(救いがたし・・・)。

しかし、ハードボイルドなサーズデイ警部補が出てくるので、捨てがたいEpでもありますね!! モースは痛い目に遭ってかわいそうだけど、わざわざロンドンまで迎えに来てもらって、仇討ってもらって、家まで送ってもらって、部屋まで抱えて運んでもらって・・・・やっぱり羨ましい~
モニカへの皆さんのアドバイス、ごもっともです!! でも彼女やっぱりナースだから、ボロボロになっている人が気になってしょうがないんでしょうね・・・

>フリーメイソンの影

こ、怖いですよね!!(筋も追えないけど、ビビりでもあります)



by nyajara (2014-10-06 17:18) 

しましま

riekさん

本当、細かい記述、ありがとうございます。
私もNyajaraさんの3回どころじゃありません、もっと見てるのに
人物関係がなかなかクリアできません!ので助かります。

みなさんの、「モース羨ましい」コメントがおかしくておかしくて!
サーズデイも好きだけど、モースのポカンとした顔も好きだから、皆さんがサーズデイに萌えてる間にモースもらっておこうかしら。でもやがて出世したらサーズデイみたいにはならなくて女好きのおじさんになることがわかってるのでやめておこうかしら。

フリーメイソンってそうなんですか?
なぜかお金持ちの秘密結社と思っていたので警察との結びつきは
まったく知りませんでした。
シリーズ3が始まるまでに、少し勉強をしておいた方がいいのかも知れませんね。


そうそう、前回書き忘れたのですけど、
12進法とriekさんに言われてなるほど!と思いました。
ガスメーターに入れるコインは、
新米モースの時代=60年代半ばには6ペンスだったのが
70年代初頭にはもう50ペンスになってるんです。
12ペンスで1シリングということは、6は10進法で言えば50に相当しますよね。ふたつで1つ上の単位になるという。
10進法に変わったのが1971年だそうです。その時ペンスの価値もだいぶ変わったのでしょうかね〜



by しましま (2014-10-06 21:23) 

riek

*いととてさん

>ジェイクスのコート掛けには帽子がかかっていましたが。

おおっ、なんと鋭い!でもかぶって歩いているのは見たことないかも。今度確認してみます。ドクター・バーンズがサーズデイに向かって「帽子をかぶっているということはあなたが指揮官?」のようなセリフを言っていたような気がしますが、どうなんでしょう。年代一緒ですけどジョージ・ジェントリーはかぶってなかったみたいですし(それは場所柄か)。また調査ネタが増えました。

"oxford boy"に反応するのは、いい意味で言われた事がないからでしょうね。モースがなぜ警察に入ったかは本当に謎です。軍をやめたのは、恐らく仕事は合っていたのに軍の体質が合わなかったからだと思うのですが、想像力を働かせれば警察だって似たようなものだとわかりそうなものです。主任警部と新米をみる限り、警察を選んだ理由は語られていないような気がします。原作にはあるのかなぁ。

by riek (2014-10-06 21:26) 

riek

*nyajaraさん

私も一緒ですよ。日本語放送を観ながら書くことでなんとか整理できてる状態です。書けばみなさんからもフィードバックがいただけるので、全然苦にはなりません。それにしても日本語で観てても筋を追ったり人間関係を把握できないとは、なんと複雑なドラマなんでしょう。

S1もそうですけど、Ep1はサーズデイかっこいいシーンが多いような気がします(つかみが大事?)。今ふと思ったのですが、サーズデイがボコるシーン、あれをモースに見せていれば少しは部下に気遣い見せる上司になったかも?なんて考えすぎでしょうかね。ああ、そうか、モニカはナースだからね…傷だらけの若者にはぴったり。

by riek (2014-10-06 21:43) 

riek

*しましまさん

nyajaraさんのコメントにも書きましたが、観て&考えて&書いてると何とか整理できるのですよ。みなさんからのコメントありがたく読ませていただいてます。

どうぞどうぞ、モース独り占めにしちゃってください!モースは女好きですけど、好きになると一途なのでそんなに悪くないんじゃないでしょうか。長続きするかどうかは別問題ですが。

フリーメーソンは、私もWikiを読んだ程度ですが、一定の入会資格を満たした成人男子なら入会できるようです。そうそう、日本のTV番組「Youは何しに日本へ?」で日本のフリーメーソン総支部に潜入した回があって、私は人様のブログで読んだだけですが、なかなか面白かったですよ。リンクはこちら→ http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2662.html
http://news.livedoor.com/article/detail/8871588/

イギリスが1971年まで10進法を採用していなかったのはびっくりです。12進法って計算面倒じゃなかったのかしら。


by riek (2014-10-06 22:09) 

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