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ロジャー・アラム主演のショートフィルム『Trading Licks』のあらすじ。 [Roger Allam (Film)]

ロジャー・アラム主演のショートフィルム、『Trading Licks』。ロジャーさんがかつて伝説と呼ばれたロック・ギタリストを演じ、新たな一面を見せてくれます。ラジオドラマ『Cabin Pressure』でマーティンの兄弟のサイモン役を演じ、BBC製作の政治コメディドラマ『The Thick of It』でもロジャーさんと共演しているジャスティン・エドワードも出演しています。時間は15分と短いですが、きっちりとストーリーが出来上がっています。まずは久々に予告編を紹介しましょう。

TRADING LICKS TRAILER - HD 720p Video Sharing.mov


さてこちらの作品、現在日本のitunes store(itunes プレビュー - Trading Licks )で販売されていますが、これには字幕がついていません(日英両方とも)。そのため、ちょっとハードルが高いと思われた方もいらっしゃるようでしたので、日本語であらすじを書いてみました。脚本のト書き風に場面別に書きましたので、ドラマを観る際に参考程度に読んでいただけたらと思います。誤訳等ご指摘のある場合、コメント欄かメールでお知らせください。完全ネタバレしていますので、OKの方のみ(続きを読む)からどうぞ。

<あらすじ>
 かつて伝説と呼ばれたギタリスト、クエンティン・ボール。しかしギグの直前に舞台恐怖症に陥り、ギグをすっぽかしてしまう。家にこもっていたある日、クェンティンの家に水道屋がやってくる。トイレ詰まりを直しに来たその男は、クエンティンの熱狂的なファンだった…。

クエンティン・ボール:ギタリスト(ロジャー・アラム)
ショナ:クエンティンの妻(アニア・ソウィンスキー)
ジョンノ:水道屋で、クエンティンのファン(ジャスティン・エドワード)

○ライブハウス・楽屋
   緊張した面持ちで鏡の前に座り、ギグが始まるのを待つクエンティン・ボール。男が楽屋の外からクエンティンを呼び、まもなく開演だと告げる。しかし、クエンティンの頭の中で彼を揶揄する声が響き、クエンティンは手で口をおさえておののく。クエンティンはライブハウスを飛びだし、早歩きで道を歩いていく。

○クエンティンの自宅・寝室
   クエンティンがベッドで横になっている。隣に寝ていたクエンティンの妻・ショナが起きあがる。クエンティンの頬ににキスし、彼の体をまさぐる。クエンティンは疲れた顔で「眠いんだ」と告げる。ショナは手の動きを止め、クエンティンに今日の予定を尋ねるが、クエンティンは答えない。ショナはため息をついてベッドを出ていく。

○建物・部屋
   ノートパソコンの画面に、Youtubeのクエンティン・ボールのギター講座が流れている。画面にクエンティンが映っている。椅子に座り、ギター講座を見ながらギターを弾くジョンノ。電話が鳴る。ジョンノは大きな声を上げながら、いらだたしげに立ちあがり、電話の方へ向かう。

○クエンティンの自宅・居間
   クエンティンがソファに座り、テレビに毒づきながら朝食を食べている。ショナが居間の扉を開け、クエンティンにお金があるか尋ねる。トイレが詰まったから水道屋を呼んだが、銀行にはお金がないのだという。クエンティンは「もうすぐアルバムが完成するから心配するな」と言うが、ショナはいらだたしげに「いまどき誰がアルバムなんて買うの?」と言って取り合わない。その時玄関の呼び鈴が鳴り、ショナは玄関に向かう。

○同・玄関
  扉を開けると外にジョンノが立っている。「トイレを直しにきた」というジョンノをショナは家に迎え入れる。

○同・クエンティンの部屋
   クエンティンがギターを弾いている。そこにジョンノが入ってくる。クエンティンは驚いてギターをやめるが、ジョンナはそのまま続けろという。ジョンナはうれしそうに挨拶をし、クエンティンのギター講座でギターを熱心に練習したと言う。ジョンノは傍らにあるギターを勝手に弾こうとするが、クエンティンがあわてて止める。ジョンナは「後でセッションをしないか」とクエンティンにしつこく言うが、クエンティンは「トイレを直すのが先だ」と言って取り合わない。ジョンナは仕事がすんだらセッションをしようと言い、部屋を出ていく。

○Youtubeビデオ
Quentin; "Rockerien Mode and tension."
クエンティン:「ロッカリアンモードとテンション」

○自宅・部屋
   クェンティンが部屋でギターを弾いている。部屋の外で何かを叩く音が響く。クエンティン、部屋を出て階段を昇る。

○同・2階のトイレ
少し開いてる扉から中を伺うと、ジョンノがバケツなどを使ってドラムのまねごとをしている。目が合う二人。クエンティン、慌ててその場を去る。

○同・ダイニング
   ショナがダイニングテーブルに座り、本を読んでいる。そこへクエンティンがいらいらした様子で入ってくる。クエンティンはショナに向かって、ジョンノの仕事ぶりについて愚痴を言うが、ショナは聞く耳を持たない。「それよりも早くツアーに戻って」と言う。そこにジョンノが入ってくる。ジョンノはトイレがかなり詰まっていて、排水管のチェックも必要だと言う。クエンティンは「もう何時間もここにいるじゃないか」と言うが、ジョンノは「やっつけ仕事は好きじゃない」とやり方を変える様子を見せない。クエンティンはジャンパーをはおり、玄関に向かう。

○同・玄関
   クエンティン、配管のあたりで作業するジョンノを横目に、外に向かって歩いて行く。

○同・居間
   疲れた顔で通販用のディスクを封筒に入れるショナ。棚に飾ってあるクエンティンのステージ写真に目をやり、溜息をつく。再びディスクを封筒に入れる。

○近所のカフェ
   クエンティン、コーヒーを飲み、時間をつぶす。

 *   *   *

○同・クウェンティンの部屋
 クエンティンがキーボードを弾いている。トイレから水の流れる音が聞こえる。クエンティンは階段を上り、2階のトイレに向かう。

○同・2階のトイレ
  ジョンノと向き合うクエンティン。ジョンノは「もうすぐ終わるから、セッションしよう」とクエンティンに言う。クエンティンは「延長料金はとるな」と言い、下に降りようとするが、ジョンノが道をふさぐ。押し問答になり、クエンティンはジョンノを押しのけて階段を下りていく。

○同・ダイニング
   クエンティンはダイニングに駆け込み、食器を洗っているショナに「あいつはとんでもないマニアだ!正気じゃない!」と言う。ショナは「スターに会えてうれしいだけでしょ、一言言ってくる」と言い、食器洗いをクエンティンに任せて2階に行く。クェンティンは仕方なく台所に立ち、食器を洗う。頭の中にジョンノの声が響く。(クェンティン・ボール。夢みたいだ)(俺、大ファンなんだよ)(俺が帰る前にジャムろうぜ)その時、2階からショナの悲鳴が聞こえる。クエンティンは驚いてショナのことを呼ぶ。再びショナの悲鳴が聞こえ、クエンティンは階段を駆けあがる。

○同・2階の部屋
   クエンティンが部屋に入ると、ショナがテープで手を縛られ、口をふさがれている。その傍らに、ナイフを持ったジョンノがいる。クウェンティンは驚き、あわてふためく。ジョンナはおののいた目でクエンティンを見つめる。ジョンノは「もうたくさんだ、俺はあんたにギターを弾いてほしいだけなのに」と言う。クエンティンは金ならいくらでも払うというが、ジョンノは「俺はあんたにギターを弾いてほしいんだ。早くやれ!」とクエンティンを脅す。クエンティンは仕方なくギターを手にとり、ぎこちなく弾き始める。ジョンナは恐怖に震えるショナの耳元に唇を寄せ、「ちょっとしたギグだな」とささやく。ジョンナはその後もクエンティンをせきたて、しきりにソロを弾くように言う。クエンティンは弾いているうちにだんだん勘が戻り、複雑なソロを弾くようになる。

   ジョンノが傍らにあるギターに手を伸ばし、一緒に弾き始める。ショナは両手を必死に動かし、テープをはがす。クェンティンはギターを弾きながらあたりを見渡し、スパナを見つける。静かにスパナに近づき、手にとる。ギターを弾くのをやめ、ジョンナに向かって手にとったスパナを振り上げ、怒り声を出す。ジョンナはうろたえ、ギターを置き、落ちつくように言う。クエンティンは「俺は最高のギタリストだ!この家からとっとと出て行け!」と言う。ジョンノはおとなしく部屋をでていく。

クエンティンがショナに近づき、両手で頬を包む。2人は固く抱き合う。クエンティンはショナにいたわりの言葉をかけ、ショナは大丈夫と答える。そしてクエンティンに「ギター弾けたじゃない」と言う。

○ライブハウス・楽屋
   クエンティンが鏡の前に座っている。楽屋をノックする音。男が楽屋の外からクエンティンを呼び、まもなく開演だと告げる。クエンティンは落ち着いた様子で椅子から立ち上がり、扉に向かう。

○同・通路
   クエンティンが通路を歩いていく。クエンティンは通路の途中に立っているショナに近づき、キスを交わす。クエンティンはステージに向かう。ショナはそれを見送る。

○ライブハウス・客席
   ジョンノがバーに寄りかかり、ステージを見つめている。そこにショナがやってくる。ショナはジョンノにお礼を差しだし、ジョンノはそれを受け取る。2人はクエンティンを復活させるために、ひと芝居打ったのだった。ジョンノは「クエンティンは大丈夫か」とションナに尋ね、ションナはうなずく。ジョンナは思いきりショナの方に体を寄せるが、ショナはそれをよける。ジョンノは「おやすみ」と言って、立ち去っていく。ショナは背筋を伸ばしてステージを見つめる。

   クエンティンを紹介するアナウンスが流れる。割れんばかりの歓声の中、クエンティンはステージの中央に立ち、片手に持ったギターを天に突き上げる。

○ギター講座の映像(エンドクレジット)
   クェンティンがギターを弾き、デモンストレーションをする。最後に次のセリフを言う。
「時にはシンプルなブルースが一番です。練習に勝る上達法はなし。このことを忘れずに。」
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