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『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case3 殺しのフーガ」感想。-前編- [Roger Allam (TV)]

『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case3 殺しのフーガ」感想の前編です。5話の中でも一番好きなエピソードなこともあって、やたらと長くなってしまいました(でも触れていない話ももちろんあります)。3回くらいになりそうです。いつものごとくサーズデイ、サーズデイ言ってますが、OKの方のみ(続きを読む)からどうぞ。
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・オックスフォード学生合唱協会のコンサートに出演したあと、バーでお酒を飲んでいるモース。正装姿が素敵です。オックスフォード・メールの編集長ドロシア(アブジャイル・ソー)とちょっと会話。歌う刑事を記事にしたいと持ちかけられるが、腐敗とか買収につながるようなことはしたくないと断るモース。おお。かっこいい。

・鉄道の廃棄車両の中で女性の遺体が発見される。女性は絞殺されていて、口には"D"の刺繍が入った真っ赤なハンカチが詰められていた。被害者の名前はエブリン・バルフォー、ビンゴパブの従業員。ここで車両に向かってモース(ショーン・エヴァンス)、サーズデイ(ロジャー・アラム)、ジェイクス(ジャック・ラスキー)が歩いていくのですが、サーズデイの歩き方がかっこいい~ただ歩いているだけなのに、なぜこんなに素敵なのかしら。やっぱり姿勢かな?

・エヴリンの夫に話を聞いた後、ブライト警視正(アントン・レッサー)に報告するサーズデイ。紅茶?を飲みながら話してます。さすがに警視正の部屋では酒は飲まないのか(笑)モースに聞き込みをさせた話をすると、「モース?あいつは事務職だろ?」と言うブライト。こだわるタイプですね。

・事務所に戻ってきたモース、机の上におかれた新聞を見る。記事の見出しは「警察のスター オペラで観衆を魅了」。「警察のスター」の部分、英語では"TOP OF THE COPS"となってますが、これはBBCの音楽番組「TOP OF THE POPS」のもじりと思われます。ジェイクスのモースに対する風当たりがきっつい。

・夜中に遺体の発見現場に行くモース。中を調べているとき、何者かにドアを閉められてしまう。中で壁に書かれた謎の言葉を見つけ、署で謎の言葉がイタリア語でオペラ『オセロ』の最後のセリフだと解説します。ジェイクスに言葉の意味を聞かれて、横から「もう一度キスを」と答えるサーズデイ。ここ英語ですと"One kiss more"なんですが…うきゃー! バタッ(悩殺ハチミツボイスにやられて倒れる音)モースはこの言葉と女性の口につめられていたハンカチからオペラに関係あるんじゃないかと説明しますが、ジェイクスからは冷たい言葉しかかえってきません…

・第2の殺人が起こる。被害者は女性の植物学者グレース・アグネス・マディソン。グレースにはフィリップ・マディソンという甥とフェイ・マディソンという姪がいて、発見したのはフェイ。彼女の日記を見ると、殺害された日の欄に「午後4時 ニモ氏」と書かれていた。現場の状況から他殺を疑うモースは、監察医マックスにティーポットの調査を依頼。この二人の関係は常にほどよい距離感がありますね。その後、フェイに事情を聞くモース。この日はフィリップが訪ねることになっていたが、ピアノのリサイタルの練習があったのでフェイが来ることになったという。

・署に戻ってサーズデイに聞き込みの結果を報告するモース。サーズデイは相変わらずパイプをふかしております。報告を終えたあと、おもむろに「イタリア語が…」というモース。それに「北アフリカからイタリアへ転戦した。初めにレッチョ、そしてカシノへ」と答えるサーズデイ。サーズデイの戦争体験第2弾。レッチョ、カシノは両方ともイタリアの地名。Wikiによると、イギリス軍はレッチョへの上陸作戦でイタリア本土に上陸、その後モンテ・カシノの戦いでイタリア軍と激戦を繰り広げたとのこと。こうして調べると、なんとサーズデイの背負っているものの重いことか。(これ書き始めると長くなるので、今日のところはこの辺にしておきます)

・監察医マックスから、ティーポットの中身から毒の成分が見つかったと報告を受けるモースとサーズデイ。シロバナヨウシュチョウセンアサガオ(な、長い!)、薬としても使われるが、投与量を間違えると死にいたるほどの猛毒を持つという。学名Datura stramoniumですが、英語で言われてしまうとお手上げですね。日本語のありがたさを感じます。

・署に戻る車の中で会話するモースとサーズデイ。モースはグレースの日記にあった「ニモ氏」を調べているが、住まいを訪ねていっても留守で、見た人もいない。一方エブリン殺しは、数ヶ月前にバルフォー家のバスルームのリフォームを担当した作業員がエブリンとの不倫を認めたため、彼が有力と思われる。「昼を食ったら会うよ」と言ったサーズデイが取り出したのは、もちろん奥様お手製のサンドイッチ!「さて今日は何かな~」とうれしそうにつぶやくサーズデイに「ランチョンミート」と即答してしまうモース。前回のエピソードでも似たようなことやってますが、懲りてない!このあとのサーズデイのセリフ、日本語では「人の楽しみを奪うんじゃないよ」ですが、英語ですと"Remind me never to spend Christmas at your house"(クリスマスはお前の家では過ごさないからな)と言っています。この言い方って、結構きついジョークなんでしょうか?

・グレースの温室で、ある植物に取り付けられた銅のプレートを見つけるモース。家に帰って調べるとそれは『ラクメ』というオペラの一節だった。そのオペラでは、ラクメというインドの娘がチョウセンアサガオを飲んで自殺をはかるというシーンがあり、グレースの死んだ状況とよく似ていたため、ブライトとサーズデイに報告。サーズデイは2つの事件ともオペラに関係していると考え、モースを下がらせたあと、ブライトに捜査が終わるまでモースを応援につけたいと頼む。ブライトはいぶかしがりながらも、捜査が終わるまでという条件で承諾する。サーズデイ、粘りました!

・パブでビールを飲むモースとストレンジ。ストレンジが新聞の記事をモースに見せる。一面には「警察 オペラ座の殺人鬼を探す」の文字が。まだ外部には公表していないのに、なぜ新聞に?モースの問いに、「情報を漏らしたやつがいるってこと」と言って近くにいるジェイクスに視線を投げるストレンジ。ここのシーン、英語版で観ていた時は今一つ意味がつかめなかったのですが、そういうことだったんですね。ジェイクス、ちょっとずるがしこいです。

ところでモースとストレンジはすっかり飲み友達になったようですね。どちらかというとストレンジがモースにおごることが多い様子ですが。イギリスの文化に詳しい方はご存知かと思いますが、イギリスのパブで飲み物を注文する時は、人数が複数いる場合1人が代表して全員の分を注文する、というルールがあります(ラウンドといいます)。次に注文する時は別の人が全員の分を注文する、というのを繰り返していくのです。しかしここでは注文するのはストレンジで、モースはどうやらラウンドを積極的にはしてないようです。ストレンジのお人よしに甘えているのでしょうか?

以下中編に続きます。

WOWOWプレミア 『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』
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nyajara

riekさん、こんにちは♪

Fugueの感想楽しく読みました。サーズデイ警部補が何度も登場するのは、しょうがないですよ~ だってカッコいいから(はーと)。

タキシード姿のモースが出てきて、期待の高まるオープニングですよね。

寒々とした廃棄車両エリアを歩くシーン、ちょっと霧が立ち込めていて、ミステリーっぽくてカッコいいですよね(あ、ミステリーか)。モース、サーズデイ、ジェイクスの関係が歩いているだけで分かる、というのも面白い(笑)。そうですか、サーズデイの歩く姿・・・後でもう一度チェックします!

日本語版でモースは「いい人3割増し」だったんですが、ジェイクスについてはなぜか「スカシ(カッコつけ)度3割増し」に感じました。別にしゃべり方が英語版とすごく変わったわけでもなく、映像は同じなのに不思議です。そしてモースがより一方的にいじめられているように感じました・・・・

モースとストレンジがつるんでいるシーンが増えましたよね~。ストレンジがどんどん頼れる人になってきたのが嬉しい限りです。

イタリア語もできるサーズデイ警部補、カッコいい~♪ このEp謎の数が多いので、それを追うのに忙しく、英語版では迷子になったところもありましたが、サーズデイファンの心をわしづかみにするのも忘れていないニクイ脚本ですよね。
by nyajara (2013-12-17 16:02) 

hedgehog

riekさん

「Case3」、これまで観たシリーズ作品の中では最高でした〜! よりにもよってこの回をITVでの放送時に見逃した私のバカバカバカ!!

おまけに、まだ日本語吹き替えで一回観ただけなんです。年末年始に向けてHDDを少しでも整理しなくちゃいけないのに、録るのに観るのがおいつかなくて。そのため、

>ここ英語ですと"One kiss more"

のハチミツボイスもまだ未体験。でも、日本語吹き替えで観た時でさえ、想像して鼻血が出そうになりました。本物を聞いたらどうなることかw

サンドイッチのくだりも相変わらず楽しかったし、ああ、早いとこ英語音声で見直さなくちゃ!

by hedgehog (2013-12-17 21:06) 

riek

*nyajaraさん

こんばんは♪そうですよね、やっぱり好きな人の素敵なところを書かないと意味ないですし。ところでモースのタキシード姿、かっこよかったですね。ちょっとでいいので歌うところも見たかったです。

歩くシーンは、その他のところでも素敵だと思うんですけど、以前スチール写真で見たからかな?車両の横を歩くシーンはなんだか印象に残ってます。ああ、そうか、あの3人の歩く順番にはちゃんと序列が!細かい…。

ジェイクスの「スカシ度3割り増し」という表現、上手い!思うにやはり日本語だと意味をきちんととれることと、全体的にみなさんメリハリをつけて読んでいる感じなので、キャラの輪郭が英語版よりくっきりしているのが大きいのでは、と思いました。今まで英語音声版と吹替え版を聴き比べたことがほとんどないので、違いがとても新鮮です。

ストレンジ、かなりモースと打ち解けてますよね。エピでもモースがストレンジにチャンスをあげたりしますし、いい関係だと思います。このシリーズを観る前は、モースが本当に孤独で最初の方ではサーズデイしか味方がいないのかな?と思ってましたが、パイロット版でも声をかけてくれた同僚がいたし、ストレンジはああだし、合唱団にも入っているし(→同好の士ができるはず)…あんまり「ぼっち」な感じがしなくて意外でした。

イタリア語、あの単語も読んでくれればよかったですよね。その後に"One kiss more"って…きゃー!(バタッ)この次のエピではドイツ語だし。話せる理由が戦争と言うのが切ないですが、でも語学ができるのはイメージ悪くないです。ホントにファン心理もよくわかっている脚本ですこと!

by riek (2013-12-18 22:21) 

riek

*hedgehogさん

いや~ドラマ通のhedgehogさんに気に入っていただけたのはうれしい限りです。見逃したのはもったいなかったですよ!時間ができたらぜひ何度でも。

あの英語部分は、私は何回聴いても「きゃーーー!」(バタッ)です。私の印象では、吹替えの日本語は意訳があまりないように思いますが、やはりそのまま直訳できない英語ならではの表現もありますので、ぜひ英語音声も。なんと言ってもハチミツボイスがうふふ、なのです。

by riek (2013-12-18 22:28) 

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