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『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、プロデューサー・ダン・マカロックの解説。-Home- [Roger Allam (TV)]

みなさん、いよいよ明日『Endeavour/新米刑事モース』Case 3~Case5がWOWOWで放送されます!そこで、今回もプロデューサーのダン・マカロックがイギリスの雑誌Radio Timesに寄せた解説をご紹介します(オンライン版より)。この文章はイギリスでのSeries 1放送にあたり、ダン・マカロックが各話について解説したものです。今日ご紹介するのはS1Ep4「Home」(Case 5:家族の肖像)の解説となります。ソースはこちら:

Endeavour: exclusive guide to episode four - Home

日本語は拙訳です。訳にご指摘ある場合、コメント欄かまたはメールでお知らせください。

※事件解決に直接関わるネタバレはありませんが、予備知識なしでドラマを楽しみたい方は、スルーをお勧めします。ただし、放送後でも構わないので、『主任警部モース』ファンの方にはぜひ目を通していただきたいと思っています。素晴らしい文章です。
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雪が舞うオックスフォードの田舎町。仕事に集中して看板を立てる労働者。 大学の中庭で、寒さに震えながら講師を見つめる大学生。行き止まりにあるカフェの外にあったバンが盗まれ、ステージでは華やかなスポットライトを浴びた女性歌手が怒っている恋人のことを歌う。そこは活気にあふれた最先端のクラブ、「ムーンライト・ルームズ」。そして先に待つものは…

警察ドラマの中で「大きなテーマ」を見つけるのは容易ではありません。上にあげた要素が絡み合って一つのミステリーとなり、それがメイン・キャラクター二人の個々の深淵にぴったりとはまっていくのです。ラッセル・ルイスはシリーズ1(Case2~5)で毎週家族を取り上げました。「Girl/華麗なる賭け」ではとても奇妙で所有欲の強いスローンズ家を、「Fugue/殺しのフーガ」ではエンデバーの孤独とサーズデイの温かな家族生活との対比を、「Rocket/犯罪相関図」では裕福だが内輪でもめ事を抱える武器商人、ブルームズ家を描きました。

すべてのアイデアは華々しい「Home/家族の肖像」に落ち着きます。サーズデイの暗い過去がオックスフォードをおおい、我々のヒーローの大切なものをすべて打ち壊そうとします。もちろん私たちは未来のモースを知っていますが、エンデバーの身に悲しい出来事が起こり、彼が孤独を宿命づけられていることを知ることになります。そして、サーズデイが生来持っている優しさが彼自身の破滅につながりかねないことも…。

今回の話では、私たちは彼らの過去と未来を知ることになります。サーズデイのロンドン時代の話、そして彼がオックスフォードに来ることになった理由。それから、オリジナルのモースシリーズに存在する2人のキャラクターが初めて登場します(「ケルビムとセラフィム」ファンの方はご注目ください)。また、ドロシア・フレーゼル、ドクター・マックス・デブリン、ストレンジ、ジェイクス、ブライトも再び登場します。シリーズ1ですっかりおなじみになった顔ぶれが、総出でフィナーレを飾ります。

「Home/家族の肖像」の撮影は1月に行われました。雪に備えてはいましたが、こんなに降るとは思いませんでした!1週間ほど天気と格闘しましたが、撮影をやめた日もありました。しかし最後には、その寒々しい光景がストーリーに与えた結果にとても満足しています。『Endeavour/新米刑事モース』の監督に戻ってきたColm McCarthy、彼の手によって巧みに作り上げられた「Home/家族の肖像」にそれが織り込まれました。パイロット版では酒も飲まず、オックスフォードにもいなかったモースが、ようやくここまでやってきたのです。

マンモス・スクリーンの Damien Timmerからモースのドラマを作るよう言われた時、喜びにひたる一方、強い衝撃と怖れをいだいたことを今でも覚えています。脚本は素晴らしいが、もしそれをめちゃくちゃにしてしまったら?関わった人々。モース。愛。みんなジョン・ソーを愛している。私たちは「モースごっこ」をしてしまうのではないだろうか?私には、子供の時に観ていた番組の思い出があり、ドラマのことは鮮明に心に残っていました。私たちは懸命に取り組んだと思います。愛とラッセルの技術とともに。監督たちとともに。ショーンとロジャーとともに。もちろん、コリン・デクスターとともに。 Damien 、Michele Buck[訳者注:マンモス・スクリーンのエグゼクティブ・プロデューサー]とともに。みんなが心をこめたんです。私たちはキャストとクルーとともに、信じられないほどのハードワークをこなしました。

ですから、オリジナルのモースファンと、モースを初めて観る視聴者両方から大変ポジティブな反応を受け取った時、安堵のため息をつきました。みなさん、ドラマをご覧いただき、感想を寄せてくださって本当にありがとうございます(中には気難しい方もいましたが、それでもおおむね楽しんでくださったと思います!)。特にうれしかったのは、オリジナルにかかわった方々から祝福の言葉をいただいた時でした。Sheila Hancock[訳者注:女優でジョン・ソー夫人]、 Dominic Minghella (最初のテレビシリーズでドラマ化を担当したアンソニーの兄弟)、そしてもちろんアブジャイル。

ではそろそろ失礼することにしましょう…(ウイスキーを注ぐ)…最初の本読みから最終の放送までサポートしてくれたラジオ・タイムスに心からの感謝を…(オペラをつける)…そしてお元気で…オックスフォードに乾杯…(机の上に足を置く)。

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いやあ…(涙)。自分で訳した文章を読み返して涙ぐんでしまったのは初めてです。「みんながジョン・ソーを愛している~」のくだりです。今はもうこれ以上言うことがありません。初めてご覧になるみなさんも、何度目かのみなさんも、ぜひ楽しんでいただきたいと思います。特に今回はサーズデイ大活躍なので、ファンの方はご期待ください!!

WOWOWプレミア 『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、放送予定は以下のとおりです。

11/30(土)午後1:00 WOWOW プライム Case 3 殺しのフーガ
11/30(土)午後2:35 WOWOW プライム Case 4 犯罪相関図
11/30(土)午後4:15 WOWOW プライム Case 5 家族の肖像
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しましま

こんにちは。
ロジャーさんお誕生会で見せてもらって以来、見たい見たいと
思っていたのでWOWOWに加入しようとまで考えたのですが、
再放送のあった昨日、今日は仕事だったし、
子供の習い事関係で明日は午後外出しなくてはならないことが発覚、
DVD購入して順番に見るか〜〜とやむなく決定しました。
せっかく日本語ついてるのになあ。。。ぶつぶつ。
by しましま (2013-11-29 22:08) 

riek

*しましまさん

こんばんは。そうでしたか~それは残念ですね。私も実はモース以外はそれほどWOWOW観ないので(汗)、来月でまたいったんお休みするかもしれません(来月はCase3~5のオンデマンドがあるかもしれないので、一応継続しますが)。日本語あるといいですよ。

DVDは、PAL版ならパイロット版+S1が入っているこちらがお徳かと。

http://www.amazon.co.jp/Endeavour-Season-1-DVD-Import/dp/B00DPL32N8/ref=sr_1_6?s=dvd&ie=UTF8&qid=1385738816&sr=1-6&keywords=endeavour

字幕付でBSあたりでやってくれるといいのですけど。ううう。

by riek (2013-11-30 00:30) 

Yururi

riekさん、こんばんは。

今日は、放送時間の13時迄に飲み物やお菓子をセッティングし、
万全の体制でTVの前で待ち構えていました。
いやー、さすがに3本連続だと濃かったです(笑)
しょっぱなの“Fugue”から、中身が詰まってて
目が離せませんでしたし、見ごたえありました。

今回見た3本ともモースの内面、感情をそれほど表に出さない
彼の心理が重点的に描かれている感じがしました。
若いモースはすごくナイーブで良いですねぇ〜。
サーズデイ警部補の存在も、以前のエピソードに比べ
かなり中心!な印象です。

riekさんに教えていただきモース警部の「魔笛」のエピソードを
予習しておいたので、より一層面白く見られました。
「魔笛」の回を監督したのがあの、ダニー・ボイルだという事にも
改めて気がつきましたし、こちらのドラマの面白さも再認識しました。

ただ、今回の解説に登場する「ケルビムとセラフィム」は
録画したものが手元にないので、モヤモヤします(笑)
AXNミステリーさんがモース25話目のこのエピソードまで
はたして放送してくれるのかどうかわからないのですが、
もう、これを機会にDVD買おうかと思案中です。

今からオリジナル音声でエンデバーを見直してみようと思います。
しばらくは、楽しめそうです♪
by Yururi (2013-11-30 22:05) 

riek


*Yururiさん

こんにちは。おお、Yururiさんもオンタイム鑑賞でしたか!準備万端なところまで一緒です♪いやー3本連続は見ごたえありすぎですよね。特に「殺しのフーガ」は、日本語で観たら印象変わるかな?と思ったりしましたが、やっぱりこのエピが秀逸でした。これで力みすぎたので、後の2話はゆるりと鑑賞することに…

モース、回を追うごとによくなってますね。英語だけだと理解しきれていない部分が多々あったので、今回吹替えで観てようやくモースの内面がくっきりと見えたように思います。ロジャーさんがインタビューで「視聴者もモースが繊細で、公正で、傷つきやすいが、それでも前に進み、力の限りを尽くそうとする人間だと感じる」と言っていた部分です。あああ、もっと英語力が欲しい!サーズデイのかっこよさは、あのポジションを考えると反則では?と思いはじめております(笑)いや私的には全然OKですが。

「魔笛」ご覧になったんですね、いいなあ~。私は年末のAXNミステリーで視聴予定です。ダニー・ボイルってTVの脚本も手がけていたんですか。楽しみです。『主任警部モース』は、来年の2月にAXNミステリーでHDリマスター版全話放送が決まっているので(http://mystery.co.jp/osusume/comingsoon.html)、もうしばらくの辛抱ですよ。DVDは今のところ日本語版は出ていませんが、TVで放送された後発売されないかなーと淡い期待を抱いています。

オリジナル音声、ぜひ楽しんでください。ロジャーさんの「One kiss more」とかロジャーさんの「クリスマスにはおまえを呼ばないからな」とかロジャーさんのドイツ語とか(←うるさいよ自分)。

by riek (2013-12-01 10:01) 

riek

>ロジャーさんの「クリスマスにはおまえを呼ばないからな」とか

うわーこれ記憶違いでした。「おまえの家でクリスマスは過ごさないからな」の方が近いです。すみません、すみません。

by riek (2013-12-01 18:01) 

nyajara

riekさん、みなさん、こんばんは♪

昨日の放送、私も録画していたのにFugueの途中から見始めて、結局そこから最後まで・・・・ 久々に午後いっぱいドラマを見続けたという至福の時♪でした。

印象が変わった、といえば声の違いなのか、日本語でよく理解できたせいなのか、エンデバーが3割増しくらいに「いい人」に思えて、何度かうるっとくる場面もありました。(英語字幕ではどーもサーズデイ警部補にあれだけかまってもらえる彼に嫉妬(!)しがちでしたが・・・汗)

日本語で助かったな~と思ったのはRocketでした。おかーはん(Nora)による各方面へのいびり具合があれ程だとは、英語版では理解ができておらず、次男が告白したときに「よく言えたわ」というのにも伏線がきっちりひかれていたのを初めて知り、おおぉ~と思いました。
by nyajara (2013-12-01 21:47) 

riek

*nyajaraさん

こんばんは♪おっ、nyajaraさんもですか!よい週末でしたよね~。

>エンデバーが3割増しくらいに「いい人」に思えて

そうそう、実は私もそうでした!やっぱり日本語で理解できたからなのでしょうか、一生懸命さが伝わってくるんですよね。声優さんの演技力もよかったんだろうと思います。さらに言うと、さすがに3本一挙に観たせいか、サーズデイも「あれ?こんなキャラだっけ?」と思う瞬間が何度かありました。この違和感がどこから来るのか、オンデマンドとDVDで検証しなくては…。

おっしゃるとおり、"Rocket"はかなりあいまいになってた部分がクリアになりました。あの家族の会話、遠慮なく言い合ってて実はすごかったんですね。おかーはん…ウケました!後、"Home"で学寮長が人のフラットをまた貸しする話とか、タバコを積んでたトラックが消えた話とか、その辺がクリアになって助かりました。でもまだ全部わかっていない気がするのはなぜなのだろう(汗)

by riek (2013-12-01 23:19) 

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