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『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、「Case1 華麗なる賭け」感想。-前編- [Roger Allam (TV)]

『Endeavour/新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』、昨日日本語吹替版を観ましたが、とてもよかったです。翻訳もうまかったですし、吹替も思ったほど違和感がなくて楽しめました。ありがたいですねぇ。(さすがにサーズデイ警部補はロジャーさんの声が恋しかったですが。時々)以下、自分の覚書を兼ねて感想をつらつらと書いていきます。ネタバレ全開+ロジャーさん絶賛コメント満載ですので、OKの方だけ(続きを読む)からどうぞ。コメント欄もネタバレOKですので、がんがんお寄せください。【9/21追記】ドラマの中で流れていたポップソングについて追記しました。
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・冒頭、どしゃぶりの雨の中、朝早く車を運転する男性。場面が変わり、豪勢な屋敷でバックギャモンに興ずる正装の男性二人。再び車を運転する男性、バス停を通り過ぎる時にワンピースを着た赤毛の女性がずぶぬれになっているのを目撃。再び正装の男二人と、同じ部屋に下着姿で横たわる若い女性たちと男たち。事件の匂いをぷんぷんさせながらドラマが始まりますが、この場面で流れている音楽が場面にマッチしていて大好きです。なお、BGMを演奏するのは『主任警部モース』『ルイス警部』も手がけたバーリントン・フェルング指揮/ロンドン・メトロポリタン・オーケストラ。この後、無人のバス停を1台のバスが通っていきますが、行き先が「Woodstock」。モース警部シリーズの「Last Bus To Woodstock/ウッドストック行き最終バス」へのオマージュと思われ。こちらは始発なのが粋ですね。

・オペラ「蝶々夫人」の曲が流れると同時にタイトルバック。それからカーシャル・ニュータウン警察署が映り、その後部屋でタイプライターに向かうエンデバー・モース(ショーン・エヴァンス)が登場。オペラの曲がそのままモースの部屋から流れるレコードの曲にかぶさっているのがうまい!2本指打法でモースがたどたどしく打っているのは、なんと退職届。それ出したらそこでドラマ終わりますがな、お兄さん…。同僚のマクリーシュが「一杯どう?」と誘いに来ますが、「飲まないよ」と言って断るモース。人付き合いが悪そうな感じです。

・15歳の少女、メリー・トレムレットが失踪。管轄のカウリー警察署の応援要請を受け、他の刑事とともにバスでオックスフォードに向かうことになるモース。カウリー警察署で捜査を指揮するのはサーズデイ警部補(ロジャー・アラム)ですが、どうもサーズデイは「おやじさん」と呼ばれているらしい。おやじさん…おやじよりいいか。

・そしてサーズデイとモースの対面シーン!きゃー。一人残って残業しているモースに声をかけるサーズデイ。「君はどっちだ?("Which one of yours?")」うう、このセリフに(特に英語で聴くと)シビれる…モースから話を聴き、「おやすみ」と言って帰ろうとするサーズデイ。帽子のかぶり方、角度、歩いていく後姿、もう完璧ですわ…賛辞の言葉しかでてこないのですが、いいですか?

・川辺で銃で頭を撃たれた男性の遺体が発見される。事件現場でモースが出会うのは監察医のマックス。モース警部シリーズにも登場しているそうですが、これが初めての出会いとなるのですね。

【9/21追記】・日本語版ではカットされていますが、メリーと同じ学校に通っていたヴァレリーという少女が車の整備工を訪ね、二人が親しげに話すシーンがあります。それをカーディーラーのサミュエルズが事務所から見ているのですが、この時バックに流れているのはManfred Mann(マンフレッド・マン)の「Do Wah Diddy」。マンフレッド・マンは60年代を代表するイギリスのビート・グループの一つで、「Do Wah Diddy」は前英チャートで1位を獲得した曲です。ラジオから流れてくるのも自然なわけですね。

・遺留品を手がかりにして関係者に事情聴取をするモース。遺体の男性はカレッジの学生(マイルズ・パーシバル)であることがわかり、彼を指導していたストロミング博士を訪ねていく。カレッジで大学時代の友人アレックス・リースに会ったり、ストロミング博士の家で自分の憧れのオペラ歌手(ロザリンダ・ストロミング夫人)に出会ったり。モースの過去に触れるシーンです。モースは博士の帰宅を待つ間、庭でストロミング夫人にお茶をごちそうになるのですが、そこの庭がとても美しい。何度観てもハッと胸を打たれてしまいます。基本の背景がセピア色なので、余計緑が目に鮮やかに映るのかもしれません。

・メリーが持っていた高価な詩集にはさまれていた解きかけのクロスワードパズル。パズル大好きのモースは興味をしめす。新聞の切抜きだったため、オックスフォード・メール新聞社を訪ねて事情を聴くモース。そこの編集長ドロシアを演じるのはアビジャイル・ソー。『主任警部モース』でモース警部を演じたジョン・ソーの娘さんです。モースがオフィスを去る直前に交わされる会話に、ジョン・ソーへのオマージュがこめられている模様。

・ロッド刑事部長が休みのため、代わりにサーズデイを迎えに行くことになるモース。黒のジャガーに乗っていきます。なんだか楽しそうです。サンドイッチを片手に家から出てくるサーズデイ、「金曜日だ、コンビーフサンドかな。ほら、やっぱり!」と言いながらもうれしそう。きゃー。奥様の手作りですものね♪食べるシーンも撮ってほしかったなぁぁ。

・移動中にモースから詩集とパズルの関係を聞き、署でも警視正と刑事部長に対し、モースに同じ話をさせるサーズデイ。狐につままれた顔をする二人。そこに赤毛の若い女性の遺体が発見されたとの連絡が入る。場所はバッグリーウッド、そこはモースが詩集とパズルから推理したメリーと誰かとの待ち合わせ場所だった。得意げな顔をを見せるモースがかわいいです。

・メリーの病理解剖に立ち会うモースとサーズデイ。その様子を見ていたモース、気を失って倒れてしまい、サーズデイに支えられます。その後パブでサーズデイにエールをごちそうになるモース。…なんですかこのおいしい展開は。ええい、うらやましいぞ、モース。モースは一応「飲まないので」と言いますが、飲んでみたらまんざらでもない様子。このシーンの直前に一瞬映る老人が、モース警部シリーズの原作者コリン・デクスター。彼は他のエピソードでもカメオ出演しています。サーズデイから解剖の結果を聞き、メリーの友人や知人をあたるように言われるモース。

ああ、長いですね、すみませんすみません。一応前半ということで、後半に続きます…。

WOWOWプレミア 『新米刑事モース~オックスフォード事件簿~』
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hedgehog

riekさん

うわあ、さすがにお詳しい! 私は2013年の計4話しか観てないので、WOWOWで「第1話」として放送された2012年のパイロット版を観るのは今回が初めて。なので、サーズデイ刑事が出てくるたび、いちいち新鮮に「きゃーーーー♡」。サンドイッチのくだりもいいですよねええええ〜〜〜。

ともあれ、初回はしようがなく日本語吹き替えで観たので、これから副音声の英語で(サーズデイ刑事の出ているシーンだけを)観ます!
by hedgehog (2013-09-01 21:04) 

riek

*hedgehogさん

えええ、パイロット版をご覧になるのは初めてでしたか!それはそれは…もう何度でも「きゃーーーー」と言ってください♪私なんて何回も観てるのに未だにそうですよ。サンドイッチのくだり、同意してくださってとてもうれしいです。他のエピでもそうですけど、サーズデイがサンドイッチの話をする場面てコミカルですよね。一服の清涼剤というか。

サーズデイのシーンだけ副音声の英語で観るなんて、なんて素敵なアイデア!他の役ではあまり聞けないワーキング・クラスっぽいアクセントのように思えるのですが、いかがでしょう。存分に楽しんでくださいね!

by riek (2013-09-01 23:36) 

nyajara

riekさん、hedgehogさん、こんにちは

サーズデイ警部補への愛あふれるレビュー楽しませてもらっています♪
ひとり残業しているところにサーズデイ警部補が現れたら、私なら適当な理由つけて一緒に帰っちゃいます。しかもあんなカッコいい去り方されたら、後ろから走って追いかけます。

UK版字幕付きでは、冒頭のオペラのレコード:ロザリンドが歌うMadame Butterfly、イタリア語の歌詞の字幕も付いていました。「ある晴れた日に・・・水平線の向こうから船影が見えて・・・あの人が私に逢いにきたのかしら?・・・」という恋人を待ちわびる切ない歌詞で、その後絶望の淵に突き落とされる蝶々夫人の運命が、ロザリンドが凶行へ及ぶ心情の伏線なんだなぁ・・・と思っていたので、WOWOW放送分でも歌詞の字幕が付いていればよかったな~と思いました。ロザリンドがレコードへのサインにも歌詞の一節:「ある晴れた日に」と書き添えているし。

riekさんの書かれているとおり、このドラマで音楽の使い方、本当にうまいですよね!

>あまり聞けないワーキング・クラスっぽいアクセントのように
・・・そ、そうなんですね。うっとりするばかりで、全然気づきませんでした。もう一度じっくり聞いてみます♪



by nyajara (2013-09-02 13:28) 

りん

ああ~このレビュー拝見するだけでWOWOW入っちまおうかしらん、と身もだえてしまいます。あ、すみません、はじめましてriekさん!いつも楽しませていただいています。

ワーキングクラスのアクセントといえば、先日ロジャーさんが朗読するOnly Time Will Tellのオーディオブックを聴き終わったところで、ロジャーさんのアクセントの「百面相」ぶりにあっけにとられました。港湾労働者からイートニアンのアクセントまで、多彩なアクセントを自由自在に使いこなすロジャーさん…。港湾労働者のアクセントなんて、まったく聞き取れなかったです。びっくりしました。でも本当に最高にステキでうっとりな朗読でした。

やっぱり声だけでなく姿も見たい!WOWOWどうしましょう(泣)

by りん (2013-09-02 15:44) 

riek

*nyajaraさん

こんにちは♪あっ。私もきっとやります。「あ、すいません、もう帰ります」とか言って。えへ。今ふと疑問に思ったのですが、ロジャーさんは残って何をしてたんでしょうね??

マダム・バタフライの歌詞、そういう意味があったのですね…しっかり観ていませんでした(恥)それはぜひ日本語字幕が欲しかった。音楽、サウンドトラックも素晴らしいのですが、合唱曲がオックスフォードの町並みにぴったりですよね。サントラ盤、2枚組で出してくれたらまた買ってしまうかも。

アクセントはあんまりコテコテではないのでわかりにくいかもしれませんが、私が今まで観た映画やドラマではワーキングクラスの役が少ないので、雰囲気がやっぱり違うなと感じました。

by riek (2013-09-03 00:04) 

riek

*りんさん

はじめまして!いつもありがとうございます。有料チャンネルはご予算もあるでしょうし、なかなかお勧めしにくいのが辛いところですが、このドラマはぜひ観ていただきたい…今月は『パレーズ・エンド』の字幕版もありますしね。1ヶ月単位で契約できるので、私はあまり観るのがなさそうな月は解約しています。『官僚天国』が終わった後の6月、7月がそうでした(汗)ご参考になれば。ちなみに『新米刑事モース』は9月27日までオンデマンドで観られるので、思い切り観まくるという手もあるかと。

このドラマは地上波とか、せめてBSのゴールデンタイムでもいい出来ですよね。うむむ。

おお、Only Time Will Tellはジェフリー・アーチャーですね!素晴らしい。そのオーディオブックも気にはなっているのですが、今は手が回らなくて…(それでなくても小説の朗読だと寝てしまうので)でもアクセントの「百面相」はぜひ聴きたいですね。貴重な情報をありがとうございます。

>でも本当に最高にステキでうっとりな朗読でした。

そうでしたか…うう…聴きたい。もっと時間がほしい!(涙)
by riek (2013-09-03 00:28) 

hedgehog

riekさん、りんさん、

今、Only Time Will TellをAudible.comでDL買いしました。小説の朗読は私も寝るだけなんですけど、「百面相」とか言われた日にはダメもとで聴くしかありませんわっ。
by hedgehog (2013-09-04 21:47) 

riek

*hedgehogさん

さ、さすがフットワークが軽い。ぜひ感想を聞かせてくださいね。いずれ買いますが、その前に手元に届いている『The Thick of It』のDVDを観なくては…ピーター・キャパルディとロジャーさんが一緒にコメンタリーに参加している回もある(!)すごいシロモノなんですが、その前に本編を何とかせねばならぬのです。ああ。
by riek (2013-09-05 19:51) 

nyajara

み・な・さ・ま!

私も聴いてます! "Only Time Will Tell":朗読by サーズデイ警部補!!先月Audibleデビューをしまして、月極め$14で好きなAudiobookが1つ買えるというのを申し込みました。只今キャンペーンで、初め3か月は$7.49になります♪
もちろん『英語のオベンキョー』のためにAudiobookを聴き始めた訳ですが、いつの間にか趣味の方向にすり替わっているのには目をつむっています(汗)
ロジャーさんの「百面相」にもうっとり♪ですが、すごく平易な英語で話もすごく面白く、あっという間に終わりそうなのを惜しみながら聴いてます。

私も"The Thick of It"、なぜか魅かれるものがあり(?)DVD買って、S1から見直していますが、やっぱりコメンタリー字幕なしは辛くて、まだS2の途中です・・・。はやくS4をWOWOWでやってほしいですね~。

by nyajara (2013-09-05 22:53) 

riek

*nyajaraさん

ああ、nyajaraさんまでAudibleデビューを果たしてるとは!しかも

>平易な英語で話もすごく面白く、あっという間に終わりそうなのを惜しみながら聴いてます。

なんて言われたら…やはり買わねばですね。がんばります。

『The Thick of It』は、日本語なしだと本当に辛いですよね。"You set the bar punishingly high!"という空の神様の声が遠くで聞こえる…私はとりあえずS2まで観ました。でもお楽しみはThe Specialsからなので、もう一息です♪S4やってほしいですね。ついでにS1~S3+スペシャルズ一挙放送もやってくれないでしょうか。WOWOWさん?



by riek (2013-09-07 00:13) 

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