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『Cabin Presssure』S5Ep1、Ep2"Zurich"、BBC Radio 4 Extraにてオンデマンド配信中&感想。 [Cabin Pressure (Z)]

いよいよ最終回を迎えたBBCのラジオドラマ『Cabin Pressure』、BBC Radio 4でS5Ep1&Ep2"Zurich"がオンデマンドで配信されています。番組サイトはこちら:

BBC Radio 4 - Cabin Pressure -

オンデマンドは放送日から数えて4週間程度聞くことができます。上のページからどうぞ(日本からはパソコンでのみアクセスのみ可能)。BBCの紹介文によると「マーティンは新しい会社に行くかどうか決めることになるが、これがMJN Airの最後となるのか?そしてアーサーは一体ヴァンの横に何を描いたのであろうか。」

一つ前のエピソードでスイスエアウェイズの面接を受けたマーティン(ベネディクト・カンバーバッチ)、先方からは合格を告げられるのですが、なかなか心を決められません。そんなマーティンを応援するMJNメンバー、ハーク(キャロリンの恋人・声:アンソニー・ヘッド)、テレーザ(マーティンの恋人・声:マチルダ・ゼーグラー)。マーティンはスイス・エアウェイズで研修を受け始め、ダグラス(ロジャー・アラム)は貨物会社でパイロットになることにし、アーサー(ジョン・フィネモア)はマーティンが運送の仕事に使っていたヴァンを譲り受け、アイスクリームの移動販売を始めようと考えます。CEOのキャロリン(ステファニー・コール)はGERTIを売却することを決断しオークションにかけますが、そこへ元夫のゴードン(ティモシー・ウェスト)が現れて・・・。キャラクターそれぞれの未来、そしてMJN Airの明日はどっちだ!?

ああ・・・とうとうZurich。ここまでを振り返るといろいろと感慨深いですが、完結に言うと大団円でハッピーエンドとなりました。Zエピについてはジョンが追って自身のブログで語ってくれるそうなので、そちらも楽しみに待ちたいと思います。関係されたすべての方々、本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました!!そしてCabin Pressureを冠して始めたこのブログ、せっかくですから私の感想もネタバレ込みで書こうと思います。ご興味のある方は(続きを読む)からどうぞ。

おっとっと、その前に、Cabin Pressureの全作品を収録した『Cabin Pressure: A to Z』とZエピのみ収録した『Cabin Pressure: Zurich』が来年1月に発売予定です。日本のアマゾンからも予約が可能となっています。A to Zは特典付のことですので、どうぞお見逃しなく!

Cabin Pressure: A-Z: The BBC Radio 4 airline sitcom


Cabin Pressure: Zurich: The BBC Radio 4 airline sitcom

さてZurichですが、かなり前にこれがCPの最終話とアナウンスされていましたね。で、前作のYエピからしばらく時間が空いてしまったので、その間に私が考えたのはどんなエンディングになるんだろう?ということでした。おおまかに考えたのが以下の3つです:

1. すったもんだの末、結局MJN Airが存続し、今までと変わらない様子で終わる。
2. すったもんだの末、MJN Airの4人は別々の道を歩き出す。
3. すったもんだの末、マーティンはスイス・エアでパイロットになり、マーティンの代わりにハークがMJN Airに入り、結果MJN Airが存続する。

で、話としてはありうるけどCPでは可能性が0かなと思ったのは2.。登場人物たちはそれぞれ自分の道を選べるけれど、リスナーはどうしても寂しさを感じることでしょう。それはジョンの言うシットコムの作法にはそぐわないのでは、という気がしたため。逆に1.の場合、リスナーはうれしいけれど、Zにいたるまでにいろいろと書き込まれた登場人物たちには足かせになるのでは、と思いました。で、一番収まりがよいかな、と思ったのが3.。マーティンはMJN Airからスイスエアに移りテレーザとハッピーエンド、代わりにハークがMJN Airに入り、以前とは少し風景が違うけれどもGERTIの4人体勢が続くという。

結果はというと、予想が当たって3.に近い終わり方になった訳ですが、3.を考えた時に一番ネックになるのはダグラスとハークの関係だと思いました。その辺をジョンはどうするんだろう?と思いながら聞いていましたが、ジョンの結論は「ハークに対し、キャロリンにダグラスを機長にすると言わせる」ことでした。ハークはキャロリンに「君といられるなら何でもする、MJNにも入るよ(riek注:機長前提で)」みたいなことを言い、それに対してキャロリンは「ハーク、あなたのことは愛しているけど、機長はダグラスよ」とびしっと言うことで、無駄なベータ・ドッグ争いを避けることができた訳です。いやもうあっぱれですね。まぁハークがダグラスと言葉遊びをすんなりできるというのはご愛嬌ですが(笑)。ともあれ、望むものをすべて得られたわけではないけれど、各自が一番望んだものが手に入り、リスナーも「ああ、よかったねぇ」と無理なく思えるという点で、すべてが落ち着くところに収まった、本当に素晴らしい終わり方だなと思いました。

後、今回は誰が悪役になるかと言うのも注目の一つでしたが、ゴードンが期待を裏切りませんでしたね。今回彼がGERTIを取り戻したい訳が判明するのですが、もうガッテン!を何十回でも押したい気分になりました。GERTI自身がお宝だったというのが実に上手いです。そして陳腐な嘘で騙されそうになったアーサーがものすごい勢いで怒るところが聞き所。彼は敵にまわしちゃいけませんね。普通そうする人は多くないでしょうけど(笑)。

他にもマーティンがダグラスのやり方を真似ることで成長していくところとか、エンディングに出てくる飛行機の行き先がアジスアベバ(A!)だったりとか、レモンという単語が出てきてアーサーの「Brilliant!」で終わるところとか、本当に聞き所がたくさん。マーティンとテレーザの親密ぶりにもびっくりです。その中で私がひときわ感動したのが、実は管制官のカール(声:Dan Tetsell)でした。記念すべき第1話「Abu Dahbi」S1「Boston」から出演していた、一番長いセミレギュラーのカールがGERTI(とクルー)のことが好きだったのがわかって、すごくうれしくなってしまいました。カール、うまく言えないけど、いいキャラですよねー!

ええと、今のところで思いついたのはこんなところです。て、もう結構長いか(汗)。お聞きになられたみなさんはどうお感じになったでしょうか。よかったらぜひコメント欄に感想をお寄せくださいね。長くても全然OKですので、どうぞよろしくお願いします。
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いととて

残念ながら、私には『Cabin Pressure』は難しすぎです。なんで笑っているのかチンプンカンプンで。
そこで(?)『パレーズ・エンド』を頑張ってみたのですが、こちらも今ひとつよくわかりません。
吹替え版のせいもあるのでしょうが。
ボタンの掛け違いをこれでもかと見せられている様で。
なぜ男性がシルビアに振り回されるのか納得できないし、ヴァレンタインがそれほど純粋とも思えないし。
ロジャーさんはちょっと笑えてよかったですけど。
そういえば、「恋におちたシェークスピア」もあまりいいとは思わなかったのでした。
by いととて (2014-12-29 20:59) 

nyajara

riekさん、こんばんは。

終にこの日がやってきましたね! すでにPart1とPart2をヘビロテ中ですが、riekさんが冷静にエンディングの可能性を考察していたことに脱帽です・・・。私はひたすら涙、涙のエンディングだったらどうしよう、とヘタレな事しか考えていませんでした。

よって、結果には大満足です。ややテレーザのセリフがストーリーを円滑に進める解説的な感じがしましたが、いや~さすがジョンです。このEpの伏線の回収から、Aから始まったお話がZから再びAに戻るような、一つの円をきれいに閉じるようなエンディングでした。
マーティンがskipとして自信がない、という話からAは始まりsky godのダグラス(笑)にいじめられながらも日々奮闘し、Yではダグラスにマーティンがのり移り(笑)、そしてZでは図らずも?マーティンがダグラスの口真似をする事で、またダグラスから「それでいいんだよ」と言われることで、マーティンが悩みを乗り越える(であろう)ことがリスナーに伝わり、かといって湿っぽくsky godから引導を渡されるわけでもないところが素晴らしい。

今までのギャグの繰り返しもすごく冴えてました。code redからアーサーの「絶対に誓って嘘じゃありません」とか(出典はゴードンだったのが笑えるw)、そしてあの人が"yellow car"と言ってくれるなんて!→これだけのためにだけでもCD絶対"買い"です! あと車の中のポジショニング・・・懐かしいですね。

riekさんのおっしゃる通り、アーサーが嘘を見破ったことで問題の鍵が見つかりました。彼はこのEpのMVPですね。そしてカール!!本当にいい味出してます(笑) Abu Dahbiでのカールは記憶に残っていなかったので、もう一度聴いてみなくては。私の中でカールはクアラルンプール、Vaduzしか覚えていなかったです。

Johnがブログで"Thank you for flying MJN Air"と書いているのをさきほど読み、ああ本当に機影が遠ざかっていくんだな~という気がしました。やっぱり寂しいですね。
by nyajara (2014-12-29 21:06) 

nyajara

カールが印象的だったのはクアラルンプールでなくTimbuktuでした!間違えました? …スタッフが大勢出てるクアラルンプールにも彼、いたのかしら?
…まだまだ聴き込みが甘いです。何度も失礼しました。
by nyajara (2014-12-29 21:59) 

riek

*いととてさん

CP、難しいですよね。私もおおよそ意味をつかめるようになるまでどれだけ聞いたことか。セリフにイギリスの文化がたくさん詰まっているので、わかるようになるといろいろ勉強にはなるんですけど。

『パレーズ・エンド』、実は私も今一つです。冒頭の列車のシーンが強烈で、あれを観た後ではクリストファーがいくら殊勝なことを言っても「でも列車の中であんなことしたくせに・・・」と思ってしまって。結局冒頭のその行為とクリストファーの性格とのギャップが最後まで修正されず、話にのることができませんでした。シルヴィアがモテるのはなんとなくわかります。ヴァレンタインは私も?でした。

by riek (2014-12-30 09:24) 

riek

*nyajaraさん

こんにちは!普段推理ドラマばかり観てるものですから、ついつい思考回路がこんな風になってしまって(--; もっと純粋に楽しめばよかったかもです。

やー、ジョンの脚本は冴えまくってましたね。最後のエピになってもキャラクターが成長しているのが素晴らしいと思いました。マーティン、そこに気づくのに5年もかかったのか?という議論はシットコムなので脇に置いておきます(笑)。私はマーティンがダグラスの振りをしている時、わざと「ぼくは負け犬だな」と言っているのが好きです。マーティンが図太くなっているのを感じました。

今までのギャグの繰り返しは、なんかもう詰め込めるだけ詰め込む!という意気込みが感じられます。今までシリーズを通して聴いてくれたリスナーへの感謝の意が込められてるのかもしれませんね。あの人の"yellow car"は貴重です。ジョン、本当にありがとう!

カール、ちょっとAbu Dahbiを聞き返してみたら、管制官は出てくるけど名前は呼ばれていませんでした。Bostonでははっきり「カール」と呼ばれていたので、一応記事の方は修正しました。Abu Dhabiもカールっぽいですけどね。下手すると1分も出番がないのに、妙に印象に残るキャラでした。今聴き直したら、Kuara LumperとTimbuktuにも出てましたよ。Timbuktuのカール、私も大好きです。

ジョン本人のコメントだと胸にしみますね。しかもMJN Airは名前もなくなってしまいましたから...(でもOJSもうまいと思います)。
by riek (2014-12-30 10:01) 

hedgehog

riekさん

あああ、ついに終わってしまいましたね。素晴らしい出来でしたけど、寂しくないと言ったら嘘もいいとこ。は〜〜〜。

横ですが、いととてさんもriekさんも『パレーズ・エンド』がイマイチだったようで残念。私は大好きなんですけどね。でも、吹き替えでご覧になったということは、WOWOWの放送でご覧になったのでしょうか? あれは、全5話をカット&再編集して強引に全3話にしたヴァージョンなので、ドラマ作品としての良さは伝わりにくいかもしれません(と、悪あがきしてみる)。
by hedgehog (2014-12-30 12:54) 

riek

*hedgehogさん

待ってる間は長かったのに、終わってしまうとあっという間ですね...。でも年が明けたらスペシャルCDセットが待っているので、そちらを楽しみに待ちたいと思います。

『パレーズ・エンド』、私は英版DVD&WOWOWで見たんだったけか...。私は原作読んでないので何とも言えませんが、冒頭のシーンはせめて情熱的な接吻くらいで止めておいてほしかったです。細かいところにいちいちひっかかりすぎなのかもしれませんが。

by riek (2014-12-31 13:15) 

yururi

とうとう大晦日です。
ロジャー・アラムさんの情報、ルイス警部やエンデバーなど、こちらに伺うのが楽しみな一年でした。
そして稚ブログにもお越しいただきありがとうございました。
もうすぐ訪れる新年が、riekさんや私にとって幸多き年となりますように!

さてお楽しみにとっておいたファイナル、一所懸命耳を傾けラスト近くマーティンのスイスエアウェイズでの機内挨拶と、ダグラスとハークが機内で例のゲームをしているシーンでなんとかざっくりした粗筋はわかりました。

細かい部分はわかりませんでしたが、アーサーのアイスクリーム屋の歌(大笑い!)や、マーティンがオークションで思わず参加してしまってからのドタバタな流れと、結構楽しめました。
マーディンがダグラスの話し方を真似るシーンがありましたが、ベネディクトは人の特徴を捉えるのがやっぱり上手いですね。

riekさんのエンディングの予想全部に「すったもんだの末、」とあるのに笑いました。当然予想通りみたいでしたが(笑)
マーティンとテレザ、ハークとキャロリンのカップルも含め、悪役以外は全員がハッピーな感じでしょうか?!
まさに Brilliant! です
by yururi (2014-12-31 20:05) 

riek

*yururiさん

こちらこそお越しくださりありがとうございました。来年は年明け早々ルイス警部&新米刑事モースが待っていますので、また盛り上がれたらと思います。お互いによい年になりますように。

CPに関しては追って和訳が出る(もう出ているところもありますね)と思いますので、それを読んでもよろしいかと。そうそう、アーサーのアイスクリーム屋も忘れてはいけませんね!刑事ドラマで何度か観た事ありますが、かわいらしい音楽を流しながらやってくるアイスクリーム・ヴァンはあちらの風物詩のようです。大体はオルゴール風の音楽で歌はないみたいですが(笑)。日本だと「や~きいも~♪いしやき~いも~♪」という感じ?オークションもおかしかったですね。みんなそんなに払えっこないのに。

>マーティンとテレザ、ハークとキャロリンのカップルも含め、悪役以外は全員がハッピーな感じでしょうか?!

それで間違いないかと思います。個人的には2組のダブルウェディングもありかなーと思ったこともありましたが、ハークとキャロリンの方が一歩先でした(ハークがあんなに熱烈だったとは、、、)。Brilliant!

by riek (2014-12-31 23:19) 

しましま

riekさん、みなさん、

年末年始がばたばただったために、大切な最終回の盛り上がり大会にすっかり出遅れてしまいました!

こんなにうまくまとまっていいのか!
と憤りを覚えるほど冴え渡っていた脚本と俳優陣の演技、
あまりにもすんなり大団円なためかえって寂しいくらいです。

突っ込むとすれば、「金で重いガーティーだから操縦が難しかった」
ことになぜ経験のあるダグラスが気がつかないんだー?!
ということくらいでしょうか^^;

最終回は、アーサーの「万里の長城」と「ジャングルブック」が
現実となったことに、やはりバカを装って、MJNを操っていたのは
彼だったか!とちょっとスリルを覚えました。
ダグラスになんとかしてもらうのも命令口調だったような気が^^;

アイスクリームの車の音に、新米モースを思い出してしまいました。
確かアイスを買いに行って誘拐された赤い靴の女の子がいたような。

キャビンプレッシャーを愛したおかげで、reikさんやみなさんと
この場で出会えたことも私には宝です。

まだジョンのブログをほとんど読んでないので、
これから楽しみに読むこととします。。。。


by しましま (2015-01-21 21:26) 

riek

*しましまさん

お忙しかったですものねー。お疲れ様でした。コメントはいつでも大歓迎です♪

Zエピは本当にうまくまとまっていました。あれだけのネタを盛り込んで一つの大きなストーリーに仕立てたのですから、感服の一言につきます。それに呼応するような俳優陣の演技も素晴らしかったですね。

>突っ込むとすれば、「金で重いガーティーだから操縦が難しかった」
ことになぜ経験のあるダグラスが気がつかないんだー?!

はっ、そうか!そこに気づくとはさすがしましまさん。私は「そんなガーティーを楽々操縦するダグラスはなんとデキる操縦士なのか」としか思っていませんでした(笑)。

アーサー、実は陰のボスでしたか。今までのエピで、いつも明るいアーサーがキレると怖いのはわかっていましたが、今回はエンジン全開でしたものね。頭から聞き直したら、実はもっと発見があるのかもしれません。

そうそう、イギリスのアイスクリーム屋さんの音って(歌じゃないけど)ああいう感じみたいですよね。私も新米モースと別のドラマを思い出しました。アイスなんだからあんな物悲しい曲にしなくても...と思うのは勝手な思い込みでしょうか。

私もCPがきっかけでブログを始めたおかげで、しましまさんはじめたくさんの方々と出会うことができました。本当にありがたいことです。しましまさんは全エピソードの和訳もされたんですよね、本当に素晴らしいことです!お疲れ様でした。後でじっくり読ませていただきます。あ、ジョンのブログもあらためて読まなくちゃ・・・。

by riek (2015-01-24 10:28) 

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